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日本郵船/曳船業界の課題をDXで解決、勤怠管理等をシステム化

2023年07月19日/IT・機器

日本郵船は7月19日、将来的な人手不足が懸念される曳船(えいせん、タグボート)業界の魅力向上を目指したDXの一環として、海運業界に特化したソフトウェア開発を行うエイ・アイ・エス(以下、AIS社)と共同で、船員向け労務管理システム「TRANS-Crew(トランスクルー)」に勤怠管理や手当計算を効率化する機能を、2023年内に実装すると発表した。同社はこれを皮切りに、将来的には点検業務や乗組員間の技術継承などのDXも進め、曳船業界の課題解決を目指す。

<曳船(タグボート):同社グループの新日本海洋社が保有・運航するLNG燃料タグボート「魁」>

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曳船は大型船が港の岸壁に離着岸する際に補助を行う小型船を指し、物流を縁の下で支える不可欠な存在。全国の関係会社を通じて100隻以上で曳船事業を展開する同社は、曳船業界を魅力的な職場にするため、業界の課題をデジタルの力で解決する「曳船DXプロジェクト」を22年に発足。曳船に関連した業務の棚卸調査を進める中、船員の勤怠管理・手当計算の効率化という課題が浮上したという。

<現行の「TRANS-Crew」のシステム画面>

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曳船の作業や船員の乗船予定は、大型船のスケジュールに応じてめまぐるしく変わる。そのため曳船会社では、船員の乗船計画と実績の紐づけといった勤怠管理や、乗船時の役職や時間帯に連動して変わる手当の複雑な計算に多くの時間と労力が費やされている。また、22年4月に船員の労働契約や労働時間に関する船員法が改正施行され、船員の労働時間を厳格に管理することも求められている。

こうした背景から同社はグループ会社から収集した現場からのニーズをもとに、これまでシステム化が困難とされていた曳船特有の複雑な勤怠管理と手当集計機能を、AIS社の「TRANS-Crew」に実装する。 23年秋に「TRANS-Crew」の新機能の第一弾、年内に最終版のリリースを予定しており、「TRANS-Crew」で入力・集計された情報を市販の給与システムとの連携を目指す考えだ。

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