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鹿島/2024年問題・脱炭素化へマッチングなど2つの取組み

2023年12月26日/SCM・経営

鹿島は12月26日、建設資材(資材)の効率的かつ環境に配慮した運送を実現するため、2つの取組みを開始したと発表した。

1つは、ヤマトシステム開発と連携し、現場で作業する協力会社と運送会社をマッチングすることで、資材の運送を効率化するアプリの開発・運用。2つ目は、物流会社と連携し、資材を大型車両で物流センターまで運送して一時保管した後、工事のタイミングに合わせて小型車両で現場に運送するというスキームの構築だ。

<マッチングアプリを開発>20231226kasima4 520x342 - 鹿島/2024年問題・脱炭素化へマッチングなど2つの取組み

現場では、車両の可能積載量に対して実積載量が少ない「低積載」や、荷下ろし後の荷台が空となる「空荷」など、非効率な状態が発生している。また、一般的に、資材は遠方にある製造元から現場に大型車両で一括運送されるが、現場の規模により荷受量などが制限される場合、小型車両で何度も運送する必要が生じ、CO2排出量が増えるといった課題があった。

<運送マッチングアプリの操作画面イメージ>
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鹿島とヤマトシステム開発した運送マッチングアプリは、車両の可能積載量を「空間」と「重量」の両面から活用するための、計画や連絡、調整などをブラウザ上で行えるもの。

アプリでは、現場で作業する協力会社が「いつ、どの資材が欲しい」と入力した情報と、運送会社が「車両サイズ、どこからどこへの運送、合積みと帰り荷の状況」を入力した情報が同じ画面で共有される。

双方の情報を一元管理することで、これまでロスとなっていた部分が見える化され、さまざまな調整を容易に行うことができる。

<空荷を解消する取組みのイメージ>
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また、運送後に空荷となる車両に、現場から搬出したい資材を、帰路上にある資材置場に運送するようマッチングすることで、効率をより一層高めることも可能だ。

物流センター中継システムは、大量の資材を製造元から大型車両で同センターまで運送し、敷地内に一時保管。現場で当該資材が必要となった際に、同センターから都度小型車両で運送するという仕組み。

<大型車両と小型車両の活用>
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今回、センコーと連携し、この仕組みを2023年4月から横浜市内の集合住宅工事現場に導入し、CO2排出量を従来比約60%削減できたことを確認している。

「物流の2024年問題」により、モノが運べなくなることが懸念されており、建設・物流両業界にとって、これらの問題を解決する、効率的かつ環境に優しい運送の実現が喫緊の課題となっている。

鹿島は今後、こうした取組みを全国の現場に展開することで、運送に伴い排出されるCO2の削減と、「物流の2024年問題」の解決に向け、業界の枠を超えて取り組んでいくとしている。

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