テラドローンの子会社Unifly NVは10月3日、ヨーロッパ最大級の港であるアントワープ・ブルージュ港(PoAB)での運行管理システム(UTM)試験導入から5年を迎え、港湾業務の効率性と安全性を大幅に向上させたと発表した。
UTMとは、同じ空域を飛行する複数の無人航空機を安心・安全・効率的に運航するためのプラットフォーム。UniflyのUTMは、2018年の実験・2019年のデモンストレーションを経て良好な成果を上げ、PoABにて2020年より本格的に使用されている。
これまでの試験導入を通して、PoABの120km2にわたる広大なエリアで、監視飛行、小包配送、医療輸送、インフラマッピングなど、複数のドローンの運用が安全かつ効率的に行えることが実証された。これにより、PoABの港湾当局は広範囲を迅速かつ確実に管理・検査・制御できるようになり、港の安全性と運用効率が大幅に向上したという。
ユニフライのUTMを使うことで、リアルタイムでのドローン飛行の監視や調整、管理を行えるようになり、PoABではドローン飛行の状況認識と運航管理が劇的に向上。PoABはベルギーにおいて、最も多くのドローン飛行が行われる先進的なスマート港湾としての地位を確立した。
また、PoABでは直近3年間で7336件のドローン飛行が実施されており、この実績がドローン技術の統合と港湾業務の効率化の証明にもなっているという。
これらの成果を受け、アントワープ・ブルージュ港のドローン・プロジェクト・リーダーであるボブ・スパノゲは「次世代の港では、自律型ドローンがネットワークを形成、1日に何度も港湾エリア上空を飛行し、リアルタイムでデータを送信するようになる。UniflyのUTM導入は、これを実現するための大きな一歩となった」とコメント。
UniflyのCEOアンドレス・ヴァン・サルムは「アントワープ・ブルージュ港での飛行成功は、ドローン技術の可能性を証明した。これからも、UTMや次世代エアモビリティ(AAM)の新しい基準を作り出していくことに邁進していく」と語った。