「顧客×企業」「企業×企業」をつなげる
TRCが目指した新しい物流テックショールーム

2020年10月29日 

物流テックの「新しい展示のかたち」

<物流テック展示ゾーン>
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「TRC LODGE」の中心となるのが、物流テックが集積する「展示ゾーン」だ。ここでは、「保管・荷役」「仕分け・ピッキング」「包装・流通加工」「配送」「運営・管理」といった物流工程ごとに集めた全9点の物流テックを展示してある。

9つの物流テックは、工場で荷物が出荷され顧客の元に届くまでの物流工程順に展示されており、どの製品がどういった場面で利用できるかが一目で判別できるようになっている。

<羽野係長>
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「ビッグサイトなどの大きな展示会では企業ごとにサービスを展示していますが、それだと物流のどのフェーズに使われている製品なのかが分かり難いという課題がありました。TRC LODGEでは物流の流れに沿って紹介することで、物流テックの初心者にも用途や利用シーンをイメージしやすくしています」と羽野係長は話す。

<展示>
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各物流テックの展示は、製品の特徴が記載されたパネル、仕様など詳細な情報を閲覧できるタブレット、出展企業とコンタクトするためのQRコードリーダーの3点で構成されている。フォーマットを統一することで、展示の見やすさを向上させた。

来場者は、入場時と同様、リーダーにQRコードをかざすことで、気になる物流テックの出展企業と直接コンタクトをとることができる。一般的な有人の展示場では係員が両者を仲介するが、TRC LODGEではこの仲介の過程を省くことで、来場者と出展企業のスムーズなマッチングを実現した。

「展示会の肝は、お客さん同士のマッチングです。無人の展示場ですが単に製品の宣伝だけで終わるのではなく、しっかりとマッチングまで持っていくことを心掛けました。直接コンタクトを取ることで来場者も出展企業も余計なやりとりをせず、初めから製品の詳細な情報を知る・伝えることができます。展示場の係員もそれなりに説明はできますが、出展企業の担当者の方がより詳しく製品の情報を把握していますので、来場者にとっても出展企業にとっても、直接やり取りした方が話が早いと考えました」と、宮本係長。

これらの展示への工夫には、東京流通センターが長年にわたる展示場運営で培ったノウハウが生かされている。同社だからこそ作り出すことができた「新しい展示のかたち」と言えるだろう。

<TRC LODGEの紹介映像を放映するシアタースペース>
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<テーブルやベンチには物流機器が使われている>
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選定ポイントは導入・運用のしやすさ

「TRC LODGE」に展示してある物流テックは、大規模な設備投資が必要な装置関連ではなく、物流テックにまだ馴染みのない企業でも導入しやすい日常の課題解決に効果のある製品を中心に集めた。

<出展企業と展示内容>
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東京流通センターは都心部に立地する性質上、主に出荷や配送を中心とした物流の最終工程で使用されることが多く、床面積が比較的小規模のテナント企業が多くを占めている。そのため、大掛かりな自動化装置よりも業務上の細かな課題を解決できるソリューションへの需要が高い。

「TRC LODGEの構想段階では、ロボットも展示する予定でした。しかし、実際にテナント企業に意見を聞いたところ、労働集約的な倉庫の使い方をしている中で、ちょっとした業務上の課題がボトルネックになっている企業が多く、そういった日常の課題を解決するソリューションを中心に集めました」と羽野係長が話すように、ゾーンでは特徴のある製品選択を行っている。

物流テックを選定する上では、製品自体の性能に加え、導入と運用のしやすさを意識した。例えば、協栄産業はAGVの販売に加えてメンテナンスなどのアフターフォローまで一貫して提供しており、TSUNAGUTEなら初期費用無しで導入できるなど、何かしらの特徴を併せ持った製品が選ばれている。

また、企業についても日本パレットレンタルやテラオカのような大企業から、ZAICOやオプティマインドなどのベンチャー企業まで幅を持たせた。他企業とのシステム連携が盛んなベンチャー企業を加えることで、出展企業間でのコラボレーションを促し、新たな物流テックの創出につなげる狙いだ。

>次 物流テック企業間の連携を促す付帯機能

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