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物流はもっと魅力的になれる
パートナーとして成長目指す

2022年10月17日/物流最前線

<DHLサプライチェーンの配送車>
20221014dhl7 - 物流最前線/DHLサプライチェーントップインタビュー

<電気飛行機アリス>
20221014dhl8 - 物流最前線/DHLサプライチェーントップインタビュー

効率化を環境問題の中心に据える

―― 地球温暖化の影響もあり、CO2排出量規制が各企業に求められていますが、DHLではどのような対策を。

ジレ  倉庫については、例えば八千代では太陽光パネルを採用し、グリーン物流を実現するようにしています。一方、輸配送の部分では、輸送の最適化にフォーカスして取り組みを進めています。現在、日本全国に102か所の拠点がありますが、拠点数が多いことで、同じ行先に対して複数車両が走行していることは非効率です。そこで、最適化を通じて、車両の積載率を高めていきたいと考えています。そのために、TMSに必要な投資をして、機能を強化していき、輸送の効率化で車両の台数を減らし、CO2削減を目指したい。この部分がCO2削減に関しては最も貢献できる分野だと思います。

――  車両のEV化については。

ジレ  EV車はとても良いのですが、一度に走れる距離が短いのが難点ですね。そこには効率化の問題も関わってきます。ですので、輸配送の効率化が最重要なのですが、当然、EV車、水素自動車の可能性も追求していく必要があります。両方やっていく必要があります。実は、DHLでは、電気飛行機の開発も進めていて、アリスと呼ばれていますが、9月29日に初のフライトを行ったというニュースがありました。ヨーロッパで、DHLエクスプレスが進めているプロジェクトで、すでに12機を発注しています。

――  日本では2024年問題が話題になっていますね。

ジレ  ドライバーの希望者が減る中で、年間960時間の規制ですから、厳しいですね。これは業界全体にとって大きな問題です。当社でも準備は進めていますが、ドライバーの職場環境を改善することがより必要となります。きちんとドライバーをケアする企業でないと、数少ないドライバーを確保することはできません。口で言うのは簡単ですが、この変化のピンチをチャンスに変えていく必要があります。

――  このままだとかなり混乱するのでは。

ジレ  確かにこれは課題となります。移行期間はありますが、マーケットはこれにアジャストしていかなければならないと思います。

――  さて、お忙しい毎日だと思いますが、週末や休日の日には何かスポーツ等は。

ジレ  ランニングですね。下目黒に住んでいますので、目黒川周辺を走ったり、週末は皇居周辺をランニングしています。10月には、ラン仲間が来日しますので、トレイルランニングを楽しむ予定です。

――  最後になりますが、LNEWS読者にメッセージを。

ジレ  私たちは同じ価値観を共有できる企業と一緒にビジネスをし、成長したいと思っています。私たちが仕事をするのは顧客、社員、投資家のためであり、ビジネスフィットや、価値観の一致ということが一番大切なことだと思っています。

<ジェローム・ジレ社長>
20221014dhl9 - 物流最前線/DHLサプライチェーントップインタビュー

■プロフィール
ジェローム・ジレ(Jerome Gillet)
今回の日本赴任以前は、DHL サプライチェーンシンガポールクラスターCEO として、この地域の事業成長と成功に貢献。彼のリーダーシップの下、当クラスターは半導体物流の分野で屈指の存在へと成長を遂げ、また、JG サミットグループとパートナーシップを組んで合弁会社 DSSI を立ち上げ、フィリピン最大手の輸送会社へと成長させた。
アジアで 22年の経験を持つジレは、1995年にDHLサプライチェーンの前身である旧エクセル社に入社し、1998年に香港に異動して以降、香港、タイ、中国、シンガポールにおいて、リージョンおよびクラスターの役職を歴任。
プライベートでは 成人した子供が4人おり、休日にはランニングとハイキングを楽しむ。

■DHLサプライチェーン
https://www.dhl.com/jp-ja/home/our-divisions/supply-chain/about-dhl-supply-chain.html

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