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山九/お台場の物流倉庫を「新しい時代の倉庫」にリニューアル

2023年04月12日/物流施設

山九は4月12日、東京都江東区青海で建設していた「お台場輸出入センター」を竣工。関係者やメディアを招き、内覧会を開催した。

<お台場輸出入センター>
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<エントランス>
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<トラックバース>
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同施設は地上6階建て延床面積1万6118m2で、倉庫は2階を除く全5層。1階に高床式のトラックバースを有するボックス型の施設で、上下搬送設備として荷物用エレベーター2基(うち1基は自動車の搬送にも対応可能)と垂直搬送機2基を設置している。

<倉庫スペース(4階)>
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<荷物用エレベーター>
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<垂直搬送機>
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倉庫の4階部分は空調設備を完備した定温(20~25度)フロアになっており、プラスチック原料などの化成品や美術品等の取扱を想定。その他フロアでも空調設備の追加が可能で、ニーズに応じて定温フロアを拡張できる設計となっている。

<屋上太陽光発電システム>
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<屋上駐車場(奥のエレベーターで車を乗り入れる)>
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また、山九は同施設を「次世代型倉庫」と位置づけており、倉庫の稼働に伴うCO2排出量の削減や従業員の労働環境の改善に配慮している。

環境への配慮としては、全館で人感センサー付きのLED照明を採用し、省エネルギー化を図っているほか、屋上に設置した150kWの太陽光発電システムによって、日中の使用電力のほぼ全量を賄えるようにした。これらの取り組みにより、建築物省エネルギー性能表示制度「BELS」の最高ランクである5つ星と、「ZEB」を同社として初めて取得している。

また、共用部には女性用のパウダールームやシャワールーム、ハンディキャップ用トイレなどを設置し、従業員が快適に働ける就労環境を整備した。

<パウダールーム>
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<シャワールーム>
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同施設は、東京港に近接しており、銀座などの都心部や羽田空港も車で20分圏内であることから、輸出入貨物の一時保管拠点としての需要を見込んでおり、プラスチック原料などの化成品や日用雑貨の取り扱いを想定している。また、保管以外にも仕分けや梱包、流通加工などにも対応し、ECの配送拠点としての利用も見込んでいる。

従来、建設地には自社の平屋建て倉庫が建っていたが、築後40年が経過し施設が老朽化していたことや、国際物流需要の高まりを受けてコンテナ貨物の取り扱いに対応した周辺倉庫の庫腹が逼迫していたことから、施設をコンテナ貨物の取り扱いに対応した倉庫へと建て替え、高層化して倉庫面積も従来比4倍に拡張した。

<山九の中村 公大社長(左)、三井住友建設の近藤 重敏社長(右)>
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内覧会とあわせて開催した竣工式典では、山九の中村 公大社長が「当社がこの地で倉庫業を開始した44年前は高度成長期の余韻が残る時代で、ここに立っていた旧倉庫も日本から大型プラントを輸出する際に活躍していた。しかし、時の経過とともに日本経済が大きく変化し、中国が世界の工場となる中で日本からの輸出品目が激減。少子化を見据えた大量生産・大量消費からの脱却が進むとともに、地球環境保護の観点から、環境負荷の低い事業運営が求められるようになっている。新倉庫は、このような時代背景に添った新しい時代のための倉庫として、顧客はもとより、日本経済の新たなサポートができる倉庫としてリニューアルした。新倉庫を活用し、顧客の物流課題の解決や環境対策への貢献を通じて、顧客や社会の新しいニーズに応えるサービスを提供していきたい」と挨拶。

また、同施設の設計・施工を手がけた三井住友建設の近藤 重敏社長に感謝状と記念品を贈呈した。

■施設概要
所在地:東京都江東区青海4-3-2
敷地面積:5566.08m2
延床面積:1万6117.87m2
構造:鉄骨造6階建て(倉庫部分5層)
設備:垂直搬送機2基、荷物EV2基、ドックレベラー7基
稼働:2023年4月

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