JALは4月26日、IATAが策定した医薬品輸送の品質認証制度「CEIV Pharma認証」を2023年3月28日に成田空港の上屋・ランプでの取り扱いおよび発着フライトを対象に取得したと発表した。2019年に関西空港上屋での取り扱いに続く、2つ目取得のとなる。
<CEIV Pharma認証ロゴ>
「CEIV Pharma認証」は、医薬品の適正な流通基準であるGDPに準拠した国際統一基準で、高い輸送品質の構築を目的としている。JALは、成田空港で培ってきた、医薬品輸送を担う組織・管理体制などを再構築し、同認証を取得した。
<認証制度の対象範囲:関西空港から成田空港を経由して輸出する事例>
今後は、同認証を取得済みの貨物代理店などと組み合わせ、空港やフライトを含む一気通貫した「CEIV Pharma認証」のサプライチェーンの提供が可能となる。また、日本からの輸出のみならず、医薬生産拠点である欧米からの輸入および乗り継ぎ需要の取り込み拡大を目指す。
<左から JAL MEDI PORT(成田空港)とPharma5(関西空港)>
同社は空港における医薬専用定温庫として、2022年10月に成田空港に「JAL MEDI PORT」を、2023年2月には関西空港に「Pharma5」を開設した。なお、関西空港で医薬品取り扱いを担う日航関西エアカーゴシステムは、2019年に「CEIV Pharma認証」を取得している。
今後同社は、成田空港・関西空港でのハード・ソフト両面での国際基準の高品質なサービス提供に加えて、関西空港・成田空港・羽田空港を医薬専用の定温輸送トラックで結ぶGDP基準に準拠したコールドチェーン物流サービスを今年夏に開始する予定だ。
これにより、空港毎の「点」の取り扱いにとどまらず、空港間輸送ネットワークにおいても医薬品輸送の高い基準を満たすサービスをご提供することで、「面」としての輸送展開が可能となる。
JALは、高品質な医薬品輸送サービスを通して、人々の健やかな生活を支えることに加えて、今後は、環境負荷軽減やサステナブルな物流の提案など新たなチャレンジを継続し、貨物事業の収益性向上を目指していくとしている。
JAL/カタール航空とパートナーシップ強化 路線ネットワーク拡大へ