日本貨物鉄道(JR貨物)は12月15日、中距離輸送の利便性向上を骨子としたダイヤ改正を2024年3月16日に開始すると発表した。
同社では、中距離輸送のモーダルシフトの要望に応えるため、列車の速達化と輸送力を増強する。長距離輸送についても一部輸送体系を変更し利便性の向上を図る。
ダイヤ改正の主な内容は、まず1.中距離輸送の利便性向上を挙げている。その一つが「東京(タ)~大阪(タ)間の速達化」。東京(タ)と大阪内陸部の拠点駅である大阪(タ)間を結ぶコンテナ列車を速達化する。早朝配達・夜間集荷が可能なダイヤにすることで物流の大動脈である東京~大阪間の利便性向上を図る。
また「関東地区→広島(タ)間の輸送力増強」では、現在利用している列車の広島(タ)行きの輸送力を増強する他、広島(タ)に停車する列車の本数を増やし、輸送需要が旺盛な関東地区から広島(タ)へのコンテナ列車のサービスを向上する。
2.関東~北海道間の列車体系を刷新では、利用が増えている東京臨海部及び神奈川地区と北海道間の利便性の向上を図るため、東京(タ)~札幌(タ)・札幌(タ)~相模貨物間を直結するコンテナ列車を新設する。
3. 要望の強い地域間の輸送力増強では、顧客からの要望が強い地域間のコンテナ輸送力を増強するほか、新たな直通輸送ルートを設定し、輸送サービスの向上を図る。
4.大型コンテナネットワークの拡大では、大型トラックとほぼ同じサイズでモーダルシフトのしやすい31ftコンテナの取扱いの拡大と、海上コンテナの輸送力を新設する。さらに、機関車・荷役機械・コンテナを新製する。
なお、2024年4月よりトラックドライバーの時間外労働の規制が強化されるなか、物流の持続性の確保が課題になっている。また、物流においても、カーボンニュートラルの実現が求められている。このような中、労働生産性と環境特性に優れた貨物鉄道輸送に対する期待はますます大きくなっており、従来から利用の多い長距離輸送に加えて、中距離輸送についても貨物鉄道へのニ-ズが高まっているとして、今回のダイヤ改正に至ったもの。
※(タ)とは、ターミナルの意味
JR貨物/相模貨物駅に積替ステーション開設、コンテナ利用しやすく