三和建設の特殊機能倉庫に特化した倉庫建設ブランド「RiSOKO」(リソウコ)は10月18日、2024年初旬から着工した9棟の危険物倉庫を9月から10月にかけて完工したと発表した。
完工したのは、大手物流企業である山九の北勢第3物流センター(三重県三重郡菰野町)、藤原運輸の大正ケミカルセンター(大阪市大正区)、横田瀝青興業(兵庫県姫路市)の倉庫施設。
かつて危険物倉庫といえば、港湾運送事業者の営業倉庫や、化学メーカー等の自家倉庫・外部倉庫が主流だった。危険物倉庫は建設できる地域が限定されており、特にディベロッパー開発案件としては不向きなプロジェクトとされてきた。
しかし、近年港湾運送に限定されない物流業者やディベロッパーが事業主となり内陸部かつ複数棟同時施工するなどの案件が増加している。国土交通省の発表によれば、2021年から危険物倉庫の床面積は毎年ほぼ2桁増加している(前期比9.7%増の704千平方メートル 、2023年6月時点では10.8%増)。
これは、業界をとりまく企業各社のコンプライアンス意識の高まりに加えて、国家戦略としてのリチウムイオン蓄電池や半導体の増産体制の整備、EC市場の拡大など輸出入に限らない国内物流での危険品取扱い量の増大が背景となっていると考えられる。
完成した藤原運輸の大正ケミカルセンターにおいて、同業他社向けの見学会を開催した。当日は午前・午後の2部制で26社103名が参加し、倉庫の仕様や設計プロセスなど、通常は公開しない内容についても詳しく説明を行った。参加者の96%が「大変良かった」「良かった」と回答。具体的には、「4棟とも隅々まで見せてくださり参考になった」「質問に明確に答えていただいた」など今後の倉庫建設を見据えて参加者の知見が深まる機会になったとのこと。
2024年初旬の着工以降も、三和建設は危険物倉庫の受注を順調に伸ばしており、現在5府県で8プロジェクト29棟を計画、設計、施工中。特殊な機能倉庫建設には、実績を積み上げることで得られる技術や法令知識・行政協議など、高度な専門性を背景とした”ノウハウ”が求められる。
三和建設は、この「ノウハウ」をもとに、顧客にとってジャストスペックの倉庫を提供し、事業発展に貢献するとともに、法令遵守を徹底することで社会にとっても安心と安全な環境づくりに貢献していくとしている。
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