山九は7月22日、日本物流団体連合会主催の「第26回物流環境大賞」で奨励賞を受賞したと発表した。
受賞案件は、「鉄道輸送の活用によるCO2削減と積載率向上」「 輸送の集約による効率化 」「 往復輸送と中継拠点による効率化 」の3案件。
1件目の「鉄道輸送の活用によるCO2削減と積載率向上」は、三井化学との合同受賞となる。
三井化学が持つ福岡県の大牟田工場から三重県四日市市への輸送で、従来はトラックを利用していた大牟田から大阪への輸送を鉄道に切り替えて集約、トラック輸送の削減と鉄道輸送の積載率向上を図ったもの。これにより、CO2排出量の約80%、年間103トン相当の削減を実現した。
2件目の「 輸送の集約による効率化 」も、三井化学との合同受賞。
これは、従来、千葉県の市原地区から大阪地区の最終納入先に向けて単独輸送していたものを、大阪府摂津市の大阪ストックポイント(SP)を経由させるよう変更したもの。市原地区から大阪SPまでを他の納入先向けと集約して輸送、単独輸送を大阪SPから最終納入先のみへと切り替えた。これにより、CO2排出量の約15%、年間3トン相当の削減を実現している。
3件目の「 往復輸送と中継拠点による効率化 」は、三井化学、三井・ダウポリケミカルとの合同受賞。
取り組みでは、これまで市原地区と広島地区で別々に手配されていた2行路を往復化し、大阪に中継拠点を設けた。中継拠点では、双方からのトラック間で製品を積み替え、それぞれの出発地へ戻るスキームを構築。これにより積載効率が向上、Co2排出量の約38%、年間32トン相当の削減に加え、ドライバーの拘束日数を4泊5日から1泊2日へ短縮し、労働負荷軽減にもつなげた。
<表彰式の様子。左から日本物流団体連合会 真貝会長、山九3PL業務部 舘部長、三井化学 長田グループリーダー、三井・ダウポリケミカル 杉田グループリーダー>
今後も、脱炭素社会の実現およびドライバー不足の解決に積極的に取り組み、持続可能な社会に貢献していくとしている。
なとり、佐川急便ほか/鉄道モーダルシフトで物流環境大賞「奨励賞」受賞