アサヒロジスティクスは4月15日、「アサヒロジスティクス花見台共配センター」(埼玉県比企郡嵐山町)が竣工した。
新センターは、1995年6月に大手スーパーマーケット向けの物流センターとして開設した「花見台TCセンター」「花見台CFセンター」を前身とする施設で、「現・花見台共配センター」の敷地内にあった(旧)花見台常温庫を建て替え、スクラップアンドビルドにより、建設したもの。
横塚社長は、「当社は食品物流に特化して、事業を進め、北は北海道から東日本全域、中部関西エリアまで65か所の拠点を構え、毎日2万店を超える顧客に納品し、500万人の生活を支える隠れた役割を果たしている」とあいさつした。
その上で、「当社は5のつく年と縁がある。まず、創業は1945年の終戦の年で、この嵐山の地で創業した。ちょうど10年後の1955年に旭運輸を設立し、ちょうど70年を終えた。1975年には、私の父が初めて長期経営計画を立て、トラック運送事業だけでなく、物流全体を任せてもらえるような体制を目指し、計画を作った。当時、売上高11億円の会社を2000年の21世紀には200億円の会社を目指した。また、食品物流を総合的に任せてもらえる体制のために、壮大な計画を掲げたのが1985年。そこから10年後の1995年に、こちらの花見台センターが完成した。いわゆる3PL型事業ということで、自分たちで施設を構えて、顧客に活用してもらえる体制を目指したのが30年前。そして、2015年に、長年本社を構えていたこの地から大宮に本社を移転し、ここは、現場機能に特化したのが10年前だ。そして、2025年を迎えた。今回、当社として初めて本格的な建て替え事業を完成し、万感の思い」と述べた。
「今、西暦バージョンの話をしたが、和暦バージョンもある。私は昭和55年に生まれた。そして平成15年に当社に入社した。平成25年に社長に就任し、12年が経過した。私が入社した平成15年は、花見台センターが、事業内容を拡大して、外食産業向けセンターとしての機能を持つようになった」と語った。
「花見台センターは、我々が初めて作った本格的な物流センターで冷凍倉庫だったが、いまの外食産業向けのような3温度帯一括物流ということを全く想定せずに作っている。約30年という月日とともに、設備の老朽化や不具合があった。一方で、この場所は、我々にとって大事な場所であり、簡単には移転したくないことを考え、花見台センター内の敷地に新センターを新築した」と建て替えの経緯を説明した。
花見台共配センターは、超冷凍庫(-40度)、冷凍庫(-20度)、冷蔵庫(8度)、常温庫を備え、関東エリアで主力の冷蔵・冷凍倉庫を備える。床面積は、冷凍庫1402.51m2(うち自動倉庫634.91m2)、冷凍庫2986.72m2、常温庫2710.71m2、超冷凍庫206.63m2を備えた。
ストックヤードやクロスドックスペースの拡充により、方面別仕分け体制の構築が進み、甲信越エリアへの配送対応や、関東圏全体への配送網のさらなる拡充も視野に入れている。
従業員に向けては、作業の負荷を軽減しより働きやすい環境の整備として常温庫へ本格的にエアコンを導入したほか、在庫スペースの確保や自動倉庫等の導入によるシステム化の推進により、より使いやすく、効率的な物流を提供できる施設を目指した。
冷蔵庫にパレット自動倉庫を導入したのが特徴の一つ。パレット自動倉庫の棚数は2464棚、クレーン数4第、入出庫コンベヤ1式、コの字ピッキングコンベヤ1式、有軌道台車(往復式)1台を備えている。
※左奥の3階建ての施設が旧本社社屋
また、新センターの稼働により、従来よりも保管キャパシティが大幅に向上する。今後、現・花見台共配センター内の(旧)花見台チルド・フローズン棟をリニューアルする予定で、旧施設と新センターを合わせた冷凍在庫に対応する保管容量は、現センターの325%に拡充される。特に、冷凍食品など冷凍在庫については、近年ニーズが高まっている市場環境に対応する。
そのほか、従業員休憩室には、優しい職場環境を目指してソファーを設置。業務時間外にリフレッシュできる環境を目指した。
また、企業主導型保育事業の一環として運営する「アサヒキッズランド嵐山花見台保育園」も旧施設から、新センターに移転し、子育て中の授業員が安心して働ける環境を整えた。
現状では、関東圏の共配センター6か所(五霞、岩槻、松戸、千葉長沼、横浜、愛川)は満床に近づいている。各共配センターとの連携強化により、エリア全体での冷凍在庫保管能力が底上げされ、より安定したサービス提供が可能になる。
これまでも冷凍在庫に対する顧客から問い合わせがあり、サービスを提供できていない面があった。現在、325%に拡充する冷凍在庫の保管総量の約半数については、おおむね事業の目途がついている状況だ。-40度の超冷凍庫も備えたことで、溶けやすいプレミアムアイスクリームの保管にも対応できる体制が整い、より柔軟にさまざまな顧客の多様なニーズに対応した、冷凍・冷蔵物流を提供できる体制が整った。
■概要
名称:アサヒロジスティクス花見台共配センター
住所:埼玉県比企郡嵐山町花見台7-1
アクセス:関越自動車道 嵐山小川ICから1.8km
最寄り駅:東武東上線武蔵嵐山駅から5.2km
竣工:2025年3月31日
敷地面積:1万1849.44m2(3584.45坪)
延床面積:1万1484.79m2(3474.14坪)
構造:鉄骨造、倉庫3階建、事務所2階建
設備:冷凍庫(-20℃)1402.51m2(424.26坪)、うち自動倉庫634.91m2(192.06坪)
冷蔵庫(8℃)2986.72m2(903.48坪)
常温庫2710.71m2(819.99坪)
超冷凍庫(-40℃)206.63m2(62.51坪)
※自動倉庫、事務所、休憩室、企業内保育園他、自家スタンド(設置計画中)
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