JR貨物は3月15日、に室蘭線北入江信号場構内で2月23日に発生した貨物列車脱線事故について、現在、原因は調査中だが、脱線事故の概況を発表した。
脱線事故は高速貨第3055列車 (隅田川駅発 札幌貨物ターミナル駅行)19両編成(機関車1両、無動力回送機関車1両、コンテナ貨車17両)、脱線車両はDF200‐8号機(先頭機関車)。
概況では、第3055列車運転士は、23日3時59分頃北入江信号場構内を走行中、異音を感知したため、列車を停車させて確認したところ、けん引機関車の後部2軸(5・6軸)が進行方向右側に脱線しているのを発見した。
運転再開は翌24日17時01分で、運休本数は旅客列車が84本 貨物列車が56本だった。
車両の状況については、機関車の後部台車2軸が進行方向右側に約93~458㎜脱線していた。なお後部の無動力機関車及びコンテナ貨車は脱線していない。
台車から車体に牽引力を伝達するZ形牽引リンク装置が破損していることが判明した。
車体中心ピンとZ形牽引リンクを締結している六角ボルト(M22×60)2個、押エ金、すり板及び回り止メが落失していたが、礼文~豊浦駅間において六角ボルト1個を除き発見された。
現時点(15日12時現在)で、残りの六角ボルト1個は発見されていない。
緊急対策として、同形式機関車のZ型牽引リンク装置の緊急点検を実施した結果、2月23日中に全47両に異常がないことを確認した。
また、同種のリンク装置を使用している全国の機関車(全266両)についても点検を実施し、2月26日夕方までに全て異常が無いことを確認した。
JR北海道等と連携して、国土交通省運輸安全委員会の調査に引き続き全面的に協力し原因究明に努め、またJR貨物として原因の特定を待たずとも、事故の要因となる可能性がある事柄に対して、出来る限りの対策を行っていく、としている。