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物流最前線/シーアールイー 亀山忠秀社長(トップインタビュー)

2019年01月25日/物流最前線

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シーアールイー(CRE)の設立は2009年と新しいが、その源流は承継した倉庫マスターリース事業がスタートした1964年の東京オリンピック時まで遡る。

この間、一貫して倉庫マスターリース事業・物流施設開発・管理運営に携わってきた。その後、不動産ファンド事業、J-REIT市場、アジア市場にも進出し、2016年5月には、東証1部市場に上場している。

亀山忠秀社長は「物流インフラプラットフォームを実現する」ことが夢だと語る。その実現のために、グループに新しい仲間を迎えるなど、すでにその布石は着々と打っている。

<亀山忠秀社長>
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倉庫マスターリース事業を継承

―― シーアールイーは何度か社名変更をしていますが、「公共」という社名がついていた時代があります。この公共とは。

亀山 公共というのは、創立者の山下修平会長の家業に由来します。山下会長の祖父がアラビア石油の創立者で「アラビア太郎」と呼ばれていた人物で、その山下家の不動産管理運営会社が「公共建物」という会社です。非上場の会社なのでご存知ないとは思いますが、大手町ファーストスクエア等、主にオフィスビルの保有や賃貸管理運営をやっている会社です。

―― 物流施設を中心にビジネスを展開することになった経緯は。

亀山 山下会長がアメリカに留学したときに、不動産ファンド市場での物流不動産の魅力を感じ、物流不動産が今後日本でも伸びてくるだろうと感じたことが発端です。そこで、実家の「公共建物」を離れ、物流不動産に特化した会社を作ろうと、公共シィー・アール・イーを設立しました。「公共建物」は戦後間もなく、電電公社(現NTT)の基地局等の建物を提供していた関係で、この「公共」とはパブリックの公共ではなく、「電電公社と共に」という意味合いだったと聞いています。

―― 設立の背景は物流施設が今後伸びるという予測からでしたが、その営業基盤、バックグラウンドは。

亀山 当然、物流施設に関しては基盤がありませんでしたので、千葉県の流山市を拠点に倉庫のマスターリース事業を行っていたコマーシャル・アールイーの事業を「公共ロジスティクス」(その後公共シィー・アール・イー)承継し、翌年の2011年7月。神奈川県相模原・厚木エリアを中心に倉庫のマスターリース事業を行っていた天幸総建(当時、公共建物の子会社)と公共シィー・アール・イーが合併し、現在のシーアールイーとしての事業が本格的にスタートしました。マスターリースとは、サブリース(転貸借)を前提とした賃貸借契約のことです。

―― 物流施設に関してはこの2社が営業基盤だったと。

亀山 そうですね。天幸総建は1964年の設立で、先の東京オリンピック時から活動している会社です。1964年から2005年までは、倉庫マスターリース事業の拡大期、2005年には開発事業へ参入し、以降、物流不動産ファンド市場の拡大に伴い、管理事業を拡大してきました。今日までシーアールイーは一貫して倉庫等の物流施設、物流不動産に特化して営業活動をしています。

―― 直近ではロジコムを子会社化しています。

亀山 2018年12月20日に子会社化しました。ロジコムは東京都の多摩地区を基盤としている倉庫のマスターリース事業会社です。倉庫のマスターリース事業はこの3社を営業基盤としています。

―― その後、2016年には東証一部上場を果たしています。

亀山 2014年以降は、不動産ファンド事業へ本格進出しています。2014年8月に不動産ファンド事業へ進出、2015年4月東証第二部に上場、2016年にアジア進出、そして、2018年2月にはCREロジスティクスファンド投資法人上場、5月には流通プラットフォームビジネスに進出と、新しい事業方針を次々と実現してきました。

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