日本郵便、佐川急便/宅配分野で協業「弱点を補い合う」

2021年09月10日 
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日本郵便と佐川急便は9日10日、持続可能な物流インフラ・サービスの共創を目的とする基本合意書を締結した。

<左から佐川急便の本村社長、日本郵便の衣川社長>
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都内で開かれた会見には、両社の社長が登壇。

今回の協業について、日本郵便の衣川 和秀社長は「佐川急便とはライバルとして切磋琢磨しつつも、ゆうメールではパートナーとして協力関係にあった。今回の協業は、佐川急便との関係を未来に向けてより発展させていくためのもの。競争分野を残しつつ、お互いの弱点を相互に補完することで、両社がともに成長し続ける持続的なビジネスモデルを構築する、いわば物流業界のパラダイムシフトを目指す」とコメント。

佐川急便の本村 正秀社長は「今回の協業は、両社が抱える課題を解決するために非常に重要な役割を果たし、さまざまな効果をもたらすものとして大いに期待している。日本郵便の2万4000の郵便局による配送網と、SGホールディングスグループ10万人のリソースで互いの事業を補完しあい、課題の解決を図っていきたい」と述べた。

<協業趣旨>
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今回の協業では、日本郵便の国内2万4000か所の郵便局と二輪車を中心としたラストワンマイル、佐川急便の物流課題解決力やトラックを中心とした集荷力・輸送力とを掛け合わせ、お互いの強みを生かした新たな宅配便事業体制の構築を目指す。

具体的には、「小型宅配便荷物の輸送」、「国際荷物輸送」、「クール宅配便」の3分野で協業する。

<小型宅配便荷物の輸送>
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小型宅配便荷物の輸送では、日本郵便の「ゆうパケット」を活用したサービスを佐川急便で取り扱うことで、佐川急便がサービスを持たない小型宅配便分野を拡充する。サービス開始は11月以降を予定している。

<国際荷物輸送>
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国際荷物輸送では、日本郵便の国際郵便サービス「EMS」を活用したサービスを佐川急便で取り扱い、佐川急便の越境ECへの対応力を強化する。10月以降に順次サービスを開始する。

<クール宅配便>
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クール宅配便では、日本郵便によるゆうパック保冷品配送の一部を佐川急便で取り扱うことで、日本郵便のネックである低温配送分野を補完する。2022年1月以降のサービス開始を予定している。

このほか、両社はワーキングチームを組成し、顧客の利便性向上に資するサービス開発やインフラ構築に向けた協議を進める。

協業領域については、地方都市での共同配送や、幹線輸送の共同運行などを模索し、配送車によるCO2排出を抑制することで、脱炭素化社会の実現にも寄与していく。

<佐川急便の本村社長(左)と日本郵便の衣川社長(右)>
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両社による協業は、2021年初に日本郵便から佐川急便に対し、クール配達便の委託について打診があったことを機に検討がスタート。両社の強みを持ち合い、互いの弱点を補完し合うことができると判断し、協業の合意に至った。

協業への期待感について、日本郵便の衣川社長は、「これまではゆうパックで複数温度帯の荷物を扱う大口案件があっても保冷品がネックになり断るケースがあったが、今回の協業でネックが解消され、こういったケースでも受託が可能になる。一方で、佐川急便から得られるゆうパケットとEMSの収益については、売上で十数億円、利益で数億円規模を見ており、両社でWIN-WINな関係になれればいい」とコメント。

佐川急便の本村社長は、「ここ1~2年でECが発達し、小型荷物を送るポスト投函型の配送商品や、越境ECに関する需要が増えている。ゆうパケットやEMSを利用することで、これらのサービスに対する顧客の要望に応えることができる。日本郵便から請け負うクール宅配便の量はそれなりの規模になると期待しているが、佐川急便では全国428の営業所に大型の冷蔵設備があり、3温度帯対応の車両も1万5000台保有しているため、物量に対して十分な品質を保って対応できる」と語った。

そのほか、会見では、両社の資本面での提携について両社長ともに「現時点では全く考えていない」と回答。

他社への協業の拡大については、日本郵便の衣川社長が「この協業は排他的なものではなく、可能な分野があれば他社にも拡大していく可能性がある」と言及。

また、佐川急便の本村社長は「すでに一部地域では競合のヤマト運輸との共同配送も行っており、今回の協業についてもさまざまな企業と前向きに検討している」とコメントした。

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