LNEWSは、物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信しています。





連載 現場が変わる人財育成 第0回 菅田 勝

2023年09月11日/コラム

20230911sugata 520x273 - 連載 現場が変わる人財育成 第0回 菅田 勝

プロローグ 「人財育成」で競争力のある強い物流現場を創る

ロジスティクス革新パートナーズ 菅田 勝

私は人生の前半29年間をOA機器メーカーの生産技術+経営企画として、また後半23年間は物流事業会社+物流IEコンサルタントとして、多数の会社や現場改善を支援してきました。

現在、物流業界では、人財育成の大切さについて理解はしつつも、業務の多忙さ故に教育の時間を確保することができず、軽視されてきた結果、人財育成が進んでいないのが実態です。ベテラン従業員も業務は知っているが、部下や新人に論理立てて、「何故そうしなければいけないか?どのような改善方向や手法があるのか?」を上手く説明できない先輩や組織が多いのではないでしょうか。

ムダな作業が多く、改善も進まない。業務の標準化や文書化もなおざりで、結果として荷主からの信頼も得られず、業務が不安定。昔ながらの効率の悪い仕事のやり方で、安全性にリスクがある、こうした職場環境が放置されていることが多いようです。言葉は悪いですが、「熟練無能化」に陥っている現場・管理監督職・従業員が多過ぎるように感じます。

物流経営の中心は人財

経済産業省が2020年に「人的資本経営の重要性」について発信したことに国土交通省が呼応し、2021年4月からは「高度物流人財の育成を目的とした物流人財シンポジューム」が毎年開催されています。また、JILSほか業界サポート組織での人財育成活動も相まって、物流業界での人財育成への理解と活動が加速しつつあります。

これらの活動の中では、「経済活動が複雑さを増す今日、物流はサプライチェーン全体を見渡すことができる立ち位置にあり、全体最適化を計ることにより経済の効率性を高め、新たな付加価値創造の源泉となりうる存在でもあり、その為にも、これらを担う物流人財の育成・確保がその鍵を握る」と述べられていますが、まったくの同感です。

英語には「People are the heart of Business」という考えがありますが、顧客や社会に貢献、価値提供して、企業が成長していくには、まさに人が最も重要な経営資源であることは疑いようがありません。物流経営の中心には「人財の育成・確保策」があり、この優位性で競争に打ち勝つ必要があります。単なる物流サービスから、如何に独自の付加価値サービスを持って支援できるかを追求しなければ生き残ることはできません。

本連載では、私が経験し、実践的に取組んできた「物流現場のパートや若手を含む全従業員が楽しく学び、明るく元気の出る、そして人が育ち、改善が進むイキイキ職場の構築」を目標に、管理監督職(+班長主任リーダー)クラスの人財育成に焦点を当てた「強くて良い物流現場の創り方」をご紹介します。

皆様に「参考になった、即実行してみよう!」と感じていただけるような解りやすい、目から鱗の実践的な内容を紹介して参りますので、ぜひご期待ください。

<物流センター繁栄の要諦図>
20230911sugata 1 520x384 - 連載 現場が変わる人財育成 第0回 菅田 勝

上の概念図は、競争力のある強い物流現場を創るために必須の項目をまとめたものです。コンサル支援先企業でも常に説明で使用しており、必ずや皆様のヒントになると思います。内容は今後の連載で紹介していきたいと考えています。

■筆者プロフィール
20230911sugata2 1 - 連載 現場が変わる人財育成 第0回 菅田 勝
菅田 勝(すがた まさる)  ロジスティクス革新パートナーズ代表取締役

大阪府立大学工学部卒(現大阪公立大学)、㈱リコー入社、29年間メーカー生産技術勤務、英国駐在中に複写機ユニット全欧リサイクルビジネスモデル事業構築で「英国エリザベス女王賞」受賞。2001年リコーロジスティクス出向、2008年定年コンサル会社設立。
中小企業庁物流効率化アドバイザー、JETROエキスパート、経産省/国交省グリーン物流PS会議副主査、 JAVADA(中央職業能力開発協会)試験作問委員、環境省ea21審査人・環境カウンセラー、JILS(日本ロジスティクスシステム協会)ロジス経営士他委員、日本生産性本部委員、台湾GLCT物流連盟委員、産能大・流経大・中大他非常勤講師、著書に共著JAVADA「標準テキスト:ロジスティクス管理2級・3級」「ロジオペ3級」、生産性本部「ロジスティクス管理2級・3級過去問正誤解説集」(希望者に頒布中)、専門誌・業界紙寄稿多数。

関連記事

コラムに関する最新ニュース

最新ニュース