大和物流は2025年4月1日、北海道北広島市に大和ハウス工業が開発した物流施設「DPL札幌南III」を全棟賃借して「札幌物流センター」を開設する。また、同センターの開設に伴い、現在の「札幌物流センター」を「恵庭物流センター」に改名する。
「物流2024年問題」による輸送量の減少や、トラックドライバー不足といった課題が深刻化する中、北海道は都市間の距離が長く人口密度が低いため、長距離便や積載効率の低い便が多く、特に課題が顕著な地域となっている。
同社は2009年10月から道内全域の納材店や工事現場を対象とした建材のエリア共同配送を開始し、積載効率の向上に取り組んできたが、今回、異業種との連携を強化しさらなる効率化を図るため、同センターを開設することとなった。
今後は建材に加え、食品、日用品、機械など、多様な荷主との連携を進めることで、持続可能な物流の実現に向け、道内におけるエリア共同配送網の構築を推進するという。
なお北海道では、半導体企業の進出により関連企業による物流需要の増加が見込まれているほか、北海道新幹線の札幌延伸開業や、それを見据えた札幌駅前再開発事業も進行しており、中長期的な産業の成長が期待される。すでに建材資材や電設工事関連の荷主から、保管・納品に関する相談が増加しており、今後さらに高まるニーズに対応するため、同センターを拠点とした道内の物流基盤の再構築を目指していく。
同センターは、道央自動車道「輪厚スマートIC」から2km(車で約5分)、「北広島IC」から3km(車で約8分)の距離に位置し、国道36号線にも近いため、札幌市をはじめとする主要都市への交通利便性に優れる。
さらに、新千歳空港や苫小牧港からのアクセスも良好で、陸路だけでなく空路や海路を活用した物流インフラが整っているため、国内外からの物流拠点として適した立地だ。
同センターは、1フロア1万7000m2超の広大な面積を有しており、大空間を活かしたレイアウト設計や効率的な庫内オペレーションの構築が可能。また、トラックバースには北東と南西の両面に高床バースを採用。荷物の積み下ろしがしやすく浸水や湿気のリスクが軽減できるため、精密機械や食品などの保管にも適している。さらにドックレベラーを4基備え、海上コンテナからフォークリフトで直接庫内へ搬入できるなど、多様な貨物の取り扱いを効率的かつ安全に行うことが可能だ。
■施設概要
名称:大和物流「札幌物流センター」
所在地:北海道北広島市輪厚工業団地2-1-3
敷地面積:2万9073.81m2(8794.82坪)
延床面積:1万7919.75m2(5420.72坪)
構造:鉄骨造平屋建て
バース形状:高床式両面(H=1.0m)/接車台数36台
床荷重:各階1.5t/m2、梁下有効高 6.5m
搬送設備:ドッグレベラー4基
アクセス:道央自動車道「輪厚スマートIC」から約2.0km、道央自動車道「北広島IC」から約3.0km
最寄り駅:JR北海道千歳線「北広島駅」から約9.2km
開設:2025年4月1日
運営:大和物流
大和物流/中四国エリアの旗艦施設として、岡山県早島にセンター開設