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女性だけで物流施設を運営
国際女性デーで「Delivering Smiles by Women」

2023年03月24日/物流最前線

友人・知人にも入社呼掛け

――  それではお二方の現在の職場でのルーティンをお聞かせください。まずエリアマネージャーの佐藤さんから。

佐藤  エリアマネージャーという仕事は、1日当たりにお客様にお届けする商品の量が決まっていますので、それを1日数回送る工程があるとしたら、自分のシフトの工程の中でどれくらいの人数でどういったことをやってドライバーさんに渡すかというまでを、ピープルマネジメントしながら安全に作業を進めていくことです。

――  なかなか大変なお仕事ですね。これは入社当時からですか。

佐藤  もともと私はシフトアシスタントというポジションで、現場で働く方により近い立場の仕事でした。最初は現場で働く方々のトレーニングとか、現場のもっと細かい進みの進捗管理ということをやっていました。その後、エリアマネージャーというポジションに変わってからは全体の様子が見えるようになり、ピープルマネジメントに即した対応を図っています。つまり、自分のシフトの勤番だけではなくて、全体の把握をしつつ、例えば夜勤の従業員につなげるために何ができるのかといった考えを持ってやるというところに、仕事の範囲が広がっていきました。

――  スタッフの方の対応で気を付けている点は。

佐藤  直接スタッフの方と話すのは私たちなので、個人によって差が出ないように注意しています。

――  現在の役割について、良かったこととか嬉しかったことは。

佐藤  やはりチームの方の成長が一番うれしいですね。その人が目指していたポジションに成長したときは、とてもやりがいを感じました。成長したということは、私自身の成長でもあり、アマゾン自体の成長にもつながりますからね。当初、これしかできないって言っていた人が、みんなのリーダーとなって引っ張っている姿を見ると本当にうれしく思います。

――  今日は国際女性デーということですが、アマゾンでの女性の働きがいとは何でしょう。

佐藤  アマゾンは良い意味で、ジェンダーを感じないで働ける職場だと思います。固定観念から離れ、ジェンダーを意識せずに働けるので、自分の個性を活かせる職場だと思いますね。

――  逆にこれは嫌だな、と思うことはないですか。

佐藤  1つや2つはどこの職場でもでてくるものですが、私はあまり気にもしていません。ただ、もうこれは嫌だ、苦しいといったようなものは何一つありませんね。

――  佐藤さんの今後の希望とは。

佐藤  そうですね。今回の国際女性デーを通じて、今回の取り組みが物流のイメージを変えるきっかけの一つになったらいいなと思っています。どんな人でも物流業界で働ける機会があることを知ってほしいと思います。決して男性だけの世界じゃないということです。誰かの一歩踏み出すきっかけづくりを、今後は私たちが作っていきたいと思います。以前の私が全く物流の世界を知らずに入ったこともありますが、当時漠然と抱いていた「暗い倉庫」なんて今では笑い話ですからね。

――  それでは、今回のイベントの統括者の中野さんに伺います。

中野  私の業務ですが、基本的にこのDS全体のマネジメントをしています。安全、クオリティー、コスト、人の採用、人の育成といったことが主な業務になります。

――  いずれも難しい業務ですね。その中でも何が一番難しいですか。

中野  やはり人でしょうね。人材育成の面です。心がけていることは本人のモチベーションを引き出すこと。何かをやってほしいとオーダーするだけではなく、人それぞれのモチベーションの源泉というものを考えて、自分で考え、自発的に動きたくなる環境とか空気感を大切にしています。

――  簡単に言うとやる気ですか。

中野  そうです。やる気を引き出した上で業務に挑むという流れにしないと、いやいや引き受けたままですと、やはり失敗する確率は高くなりますし、失敗した本人もそれでは納得できませんよね。

――  管理職として、または女性管理職として、注意していることとか、大切にしていることがあれば教えてください。

中野  女性のメンバーに対しても、一番共感してあげられることを心掛けています。どうしても男性には相談できない女性特有の悩みとかもありますからね。そのようなことを吸い上げて改善し、女性も含む、誰もが働きやすい環境にしていけたら良いなと。この拠点で私が一番やらなければならないことだとも思っています。

――  中野さんの今後の希望と抱負をお聞かせください。

中野  佐藤さんと被ってしまいますが、やはり人の成長ですね。例えば、今年に入って同じチームの女性メンバーがプロモーションしたのですが、その方はすごいやる気もあって、頑張る姿をすぐそばで見ていましたから、自分の希望していたポジションに上がれたことがわが身のようにうれしかったですね。

―― 反面、苦しかったことや悲しかったことは。

中野  女性のトップ層や管理職というのは、日本ではまだまだ少なく、当社は数多い方でしょうが、上に行けば行くほど少なくなっています。ロールモデルとなる人が会社の外に少ないので、自分で作り上げていくしかないと。しかし、後輩に道を作っていけるとしたら、それはやりがいのあることですし、楽しいことでもあると考えています。

――  お二方とも充実した環境でお仕事をされているようですね。知り合いや友人を誘われることもありますか。

中野  全然、普通にありますね。むしろ友達に「アマゾンのデリバリーステーション」は、いい職場だよと伝えています。「仕事を辞めたくなったらおいでよ」なんて話しています。

<取材を終えて>
20230320amazon17 - 物流最前線/アマゾンジャパン国際女性デー、単独取材

多様性を受け入れる世界企業
日本では依然として多くの企業で賃金での女性格差があると報じられているが、その女性格差があることに中野さん、佐藤さんは素直に驚いていた。アマゾンでは男女の賃金格差はなく、誰も意識することもなく、不満もないという。さらに、実際、女性だけの出産休暇はもとより、育児休暇についても、女性だけでなく、男性も普通にとっており、男女平等が根付いているという。これは、多少ローカライズされるが、アマゾンのコアとなる考え方や、理念といったものがグローバルで統一され、その多様性の部分についても、ダイバーシティの部分の考え方が一緒だからとのこと。これはインターナショナル企業の強みでもあろう。

取材・執筆 山内公雄、近藤照美

アマゾン・ジャパン
https://www.aboutamazon.jp/

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