日本貨物鉄道(JR貨物)が5月12日に発表した2023年3月期決算は、売上高1876億8500万円(前年同期比0.6%増)、営業損失36億4400万円(前年同期は14億8400万円の利益)、経常損失43億6400万円(前年同期は2億7700万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失40億9800万円(前年同期は14億2800万円の損失)となった。
同期は、2022年8月の北海道・東北・北陸地区を中心とした大雨など自然災害の影響、新型コロナウイルスや物価上昇に伴う消費低迷の影響を受けて運輸収入が伸び悩んだ。また、ウクライナ情勢の長期化に伴う原油高騰に起因するコスト増が経営成績に影響を及ぼした。
鉄道ロジスティクス事業の売上高は1674億円(0.4%減)、営業損失は148億円(前年同期は92億円の損失)となった。
輸送量は、新型コロナウイルスや原材料費高騰に起因する物価上昇による消費の低迷に加え、8月の北海道・東北・北陸地区を中心とした大雨に伴って一部不通区間が生じた影響で、積合せ貨物、他工業品、自動車部品、家電・情報機器、食料工業品を除く品目で前年を下回った。
品目別では、紙・パルプが紙需要減に伴う生産減で低調となったほか、エコ関連物資は建設発生土の輸送が2021年7月に終了したため前年を下回った。化学薬品及び化学工業品は、需要の低迷等の影響を受け減送となった。
積合せ貨物は、2021年10月からのブロックトレイン運転開始等により増送となったほか、自動車部品および家電・情報機器は、半導体不足や海外からの部品調達が難しくなっていた状況が緩和されてきたことから前年を上回り、結果コンテナ全体では前年比99.2%となった。
また、車扱は石油が新型コロナウイルスの影響緩和によりガソリンを中心に前年を上回ったこと等により前期比101.5%となり、結果、コンテナ・車扱の輸送量合計では前期比99.9%となった。
通期の業績予想は、売上高1971億円(5.0%増)、営業利益32億円、経常利益36億円、親会社株主に帰属する当期純利益13億円を見込んでいる。
サカイ引越センター/6月の売上高12.0%増の74.44億円