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富士通/ガイドライン準拠の物流情報標準化サービス開始

2023年12月14日/IT・機器

富士通は12月14日、クラウド型ロジスティクスデータ変換・可視化サービス「Logistics Global Link(ロジスティクスグローバルリンク)」を同日から販売開始したと発表した。

<サービス概念図>
20231214fujitsu 520x225 - 富士通/ガイドライン準拠の物流情報標準化サービス開始

同社は、「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)スマート物流サービス」事業で、物流と商流データ基盤に求められる要素技術研究と基盤構築に携わっており、その成果の社会実装として、他社に先駆けて「物流情報標準ガイドライン」に準拠した同サービスの提供を開始した。

同サービスは、2023年2月に国土交通省と経済産業省、内閣府の「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)スマート物流サービス」が公開した「物流情報標準ガイドライン」に準拠して、ロジスティクスに関わる在庫や輸配送などの幅広いデータを変換・標準化。

同データを富士通の戦略パートナーであるアマゾンウェブサービス(AWS)のクラウド上に蓄積し、企業内や同業種の企業間、サプライチェーンを構成する異業種間での安全で容易なデータ共有を可能にすることで、入出荷作業や車両待機の時間を大幅に削減し、2024年問題の解決に寄与する。

同サービスでは、サプライチェーンのボトルネックである複数の異なるシステムによるロジスティクスデータ形式を自動で変換・標準化することで、企業間連携を容易にし、物流における社会課題解決への貢献とサプライチェーンの全体最適の実現を目指す。

また、ロジスティクスに関わるさまざまなシステムにあるデータをシームレスに連携するデ―タハブ機能により、在庫や輸配送などの幅広いロジスティクスデータを集約保存することで、企業内や企業間での高度な分析や活用を可能にする。

そのほか、集約保存されたロジスティクスデータを数値で可視化し、改善や改革のための分析を行う物流KPI機能を提供。基本的な物流KPIを標準装備し、表やグラフ表示で可視化・分析を行い業務改善やプロセス改革を促進する。

<物流KPI分析画面>
20231214fujitsu1 520x257 - 富士通/ガイドライン準拠の物流情報標準化サービス開始

同サービスをサプライチェーンに属する複数企業で活用する場合では、荷主企業(発荷主・着荷主)、物流事業者といった異なる立場のユーザー企業のロジスティクスデータを連携し、現場業務のデジタル化による検品作業や伝票入力などの業務の効率化を実現。また、サプライチェーン全体をデータでつなぐことで、標準化されたロジスティクスデータを元に、在庫配置計画や物流センター稼働計画、輸配送での車両手配などを迅速に実行し、企業の事業継続性を強化することができる。

さらに、企業間の物流共同化によるドライバーや車両のシェアリングを推進することで、ドライバー不足の解決やシェアリングの高度化により車両台数を最適化するとともに、総走行距離の短縮により燃料などのエネルギー使用量の削減に寄与し、将来に向けたフィジカルインターネット社会の実現を支援する。

また、ユーザー企業個社で活用する場合では、自社の基幹システムやWMS(倉庫管理システム)やTMS(輸送管理システム)など複数のロジスティクスシステムのデータを統合することで、業務の改善や改革のための可視化・分析と、さまざまなクラウドサービスと連携するデータ基盤として同サービスを運用することが可能。

サプライチェーンでの標準化されたデータを利活用することで、需要予測の精度向上とサプライチェーン全体の在庫最適化によりフードロスへの対策を支援。さらに、災害など有事の際にスピーディーな状況把握により、輸配送の見直しと調達の代替手段の選択など対策を支援し、事業のレジリエンスに寄与する。

今後、富士通は、さまざまなサプライチェーンでの荷主企業や物流事業者、システムベンダーと連携し、ロジスティクスデータの利活用によって社会課題を解決し、事業継続性を強化するロジスティクス分野のデジタルエコシステムの実現を目指すとしている。

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