三菱重工業と今治造船は12月19日、LNG(液化天然ガス)運搬船の共同設計販売会社「MI LNGカンパニー」の社名を「MILES」へ変更すると発表した。
社名変更は2025年1月1日付で行われる。なお、MILES(マイルズ)は、Marine-design Initiative for Leading Edge Solution(最先端ソリューションのための海事設計創造企業)を略したものだ。
MI LNGは2013年4月の設立以来、三菱重工及び今治造船によるLNG(液化天然ガス)運搬船の設計と販売を手掛けてきた。2023年7月には、従来業務に加え、LNG運搬船以外の一般商船の設計業務についても日本シップヤードから受託することで合意して、これらの業務も開始している。
脱炭素化の動きが加速する海運業界において、低炭素燃料の一つであるLNG燃料船の建造需要が拡大し、さらにメタノール、アンモニアなど環境負荷の低い燃料を使用する船舶の需要も本格化しつつある。
今般、新社名として再スタートするMILESは、これら代替燃料を採用する一般商船の機能設計に加え、今後需要拡大が期待される液化CO2輸送船(LCO2船)の開発・設計業務にも着手するという。
国際間大規模液化CO2海上輸送の実現に向けたLCO2船の新規開発については、日本シップヤードと三菱重工グループの三菱造船が共同で取り組むことで合意しており、両社は2024年8月、川崎汽船、商船三井、日本郵船、今治造船、ジャパン マリンユナイテッドとともに、標準仕様・標準船型確立に向けた共同検討も開始している。
こうした新しい取り組みも始まる中、MI LNGはMILESへの社名変更を機に、海運・造船業界の幅広いニーズにさらに一層迅速かつ柔軟に対応し、最適なサービスを提供、社会や産業の発展に貢献していくとしている。
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