LNEWSは、物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信しています。





川崎汽船/立教学院と研究事業契約 船上CO2回収システム応用へ

2025年02月20日/3PL・物流企業

川崎汽船は2月20日、立教学院と「未来海洋環境調和型材料の社会実装」をテーマとした寄附型研究プロジェクト事業契約を締結した。

研究プロジェクトでは、産学連携に伴う協働効果の獲得を目指して、立教大学内に同社の「先進技術未来環境プロジェクト研究室」を設置。

立教大学理学部化学科の箕浦真生教授が率いる研究グループと共に、多孔質材料の一種である「MOF(Metal-organic Frameworks)」の分子技術を活用した船上CO2回収システムの構築検討を進める。

<研究プロジェクトで扱われるMOFのイメージ図>
20250220Kline01 710x253 - 川崎汽船/立教学院と研究事業契約 船上CO2回収システム応用へ

MOFは、有機金属構造体とも呼ばれる配位性高分子の総称。任意の気体を吸着・分離させることが可能であるため、様々な気体の吸着・貯蔵材料としての応用が期待されている。

同社は脱炭素社会の実現に向けた様々な取り組みの一つとして、船舶から排出されるCO2を船上で分離、回収、貯蔵、最終的には陸揚げするOCCSに関する技術の検討を行っている。

2021年には、当時世界初の船上CO2回収装置の実証実験である「CC-OCEAN」プロジェクトにおいて、排ガスからのCO2の分離・回収に成功した。

研究プロジェクトでは、同社のOCCS分野における技術領域を拡大すべく、船舶の排ガス中のCO2を対象としたMOFの吸脱着性能評価を通して、MOFの船上CO2回収システムとしての適用実現性を明らかにし、今後の技術開発と実装を目指した検討を行う。

今後同社は、環境に関わる長期指針「“K”LINE環境ビジョン 2050」に基づき、研究プロジェクトをはじめとした自社の脱炭素化および社会の脱炭素化支援に向けた取り組みに、一層注力していくとしている。

川崎汽船/船上CO2回収装置実証実験で排ガスからCO2分離・回収

関連記事

3PL・物流企業に関する最新ニュース

最新ニュース