LNEWSは、物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信しています。





物流最前線/物流ロボット時代をレンタルで推進

2018年07月12日/物流最前線

20180712orix000 - 物流最前線/物流ロボット時代をレンタルで推進

少子高齢化、労働人口の減少を受け、物流現場でのロボット活用が本格的になってきた。

すでに、ロボットを導入している物流現場も大手企業を中心に多くなってきたが、中小の企業にとっては高額な初期導入費がネックとなっているほか、ロボットについての情報が限られていることから、興味はあるが反面及び腰のケースも少なくない。

そのような中、オリックスとオリックス・レンテックはこの5月から物流ロボットを6か月間無料レンタルする取り組みを開始している。

今回、オリックス・レンテックの物流ロボット戦略について、松野城太郎執行役員技術本部長と舟山輝ロボット営業チーム主任に聞いた。

<東京技術センター>
20180712orixr1 500x334 - 物流最前線/物流ロボット時代をレンタルで推進

<松野 城太郎 執行役員技術本部長(右)と舟山 輝 新規事業開発部 ロボット営業チーム主任>
20180712orixr2 500x334 - 物流最前線/物流ロボット時代をレンタルで推進

<Tokyo Robot Lab.2でのロボット見学会>
20180712orixr3 500x334 - 物流最前線/物流ロボット時代をレンタルで推進

<Tokyo Robot Lab.の入口付近>
20180712orixr4 500x334 - 物流最前線/物流ロボット時代をレンタルで推進

Tokyo Robot Lab2開設で物流ロボット本格展開

産業用機器レンタル会社のオリックス・レンテックが物流ロボットのレンタルを開始したのは2017年の夏ごろ。それまで、電子測定器やパソコン、サーバーなどのIT関連機器をはじめ、3Dプリンタ、ドローン等ハイテク機器のレンタルで顧客のニーズに応えた様々なサービスを展開してきた。

ロボット事業に関しては、2016年4月に次世代ロボットに特化したレンタルサービス「RoboRen」を開始し、生産工場用となるものづくり分野に、ヒト協調ロボット導入のレンタルサービスを始めた。ヒト協調ロボットとは、これまでの産業現場でのロボットとは違う。

従来の産業用ロボットは、人と接触すると危険なことから人の立ち入る範囲が限られていたが、人が触れても危険のないように自動的に動きが止まる安全性の高いロボットのことだ。

東京都町田市にある東京技術センターにはTokyo Robot Lab.、Tokyo Robot Lab.2の二つのロボット展示場を設けている。

Tokyo Robot Labには、メーカー各社のヒト協調ロボットを中心にコミュニケーションロボットなども常設展示し、動作や操作性を体感できる施設としている。

一方、昨年9月に設けた、Tokyo Robot Lab.2では、物流現場に特化したロボットを集めている。現在のところ自動搬送ロボットを中心に、マッスルスーツや追従運搬ロボットなどを展示している。

オリックス・レンテックの松野城太郎執行役員技術本部長は、ロボット事業を手掛けた要因として、「東京技術センターの半分はレンタル商品の倉庫です。残り半分はエンジニアを抱えて、精密機械の校正(標準器を用いて計測機器の精度確認を行うこと)をし、動作確認・検査をする技術エリアとなっています。我々がこれまで培ってきた技術力を横展開することで、ロボットに関しても対応できると判断しました。もともと測定器のユーザー層であったものづくり分野に向けヒト協調ロボットのレンタルを開始し、一昨年の秋からは物流ロボットのレンタルを開始しました。メーカー系列ではない強みを生かし、さまざまなメーカーのロボットを取り扱うことができます。マルチベンダーとしてのパフォーマンスを最大限に発揮することで、多くの顧客に貢献できると思います」と話した。

ロボット営業チームの舟山輝主任は、「これまで培ってきたノウハウやスキームを活用すれば、物流業界の省人化に貢献できると考えました。ものづくり分野に向けて、ヒト協調ロボットを中心にレンタルサービスを行っていましたが、工場内で物を運搬する動きを自動化したいという声が増えてきました。また、物流業界も人手不足で、AGV(無人搬送車)を導入したいという話が、去年の秋ごろから盛んに聞かれるようになったため、物流業界向けに人とロボットが協働できる環境をレンタルというスキームを使って提供しようと考えました」と話す。

もう一つの要因は同社がパソコンやサーバーのレンタルもおこなってきたことだ。OSや、プログラム言語の違いに対応してきた経験を活かしている。

「ロボットも、メーカーによって動作プログラムや走行プログラムが異なります。ロボットを使ったことのない顧客が、ロボットの選定から導入まで短期間に行うことはとても難しいのが現状です。そこで当社では、操作性や品質レベルの高いロボットを選定して取り揃え、技術者がそれぞれのロボットの特性を把握し、顧客に対して簡易講習などを実施するなど、導入の支援をしています」と松野本部長は語る。

おそらく、ロボットを導入したい企業は多数あると思われるが、今まで利用したことのない企業にとってはハードルが高い。オリックス・レンテックではレンタルサービスによって初期投資を抑えるとともに、技術者によるサポートも合わせて提供することで、ロボットの導入支援を行うことをセールスポイントにしている。

<松野本部長>
20180712orixr5 - 物流最前線/物流ロボット時代をレンタルで推進

<舟山主任>
20180712orixr6 - 物流最前線/物流ロボット時代をレンタルで推進

次>> オリックスの物流施設とロボットで相乗効果図る

次へ> 1 2

関連記事

Next-Logiに関する最新ニュース

最新ニュース