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C&W/新名神開通で物流施設ニーズ増加、冷凍冷蔵倉庫供給も加速

2019年07月22日/調査・統計

クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(C&W)は7月22日、第2四半期不動産市場レポート「日本物流施設 MarketBeats」を発行した。

それによると、日本の物流施設の首都圏湾岸エリアの賃料成長率は6.3%、神奈川内陸エリア賃料成長率は2.1%と堅調な伸びを示している。

物流施設市場全体を通して大きな賃料の増加は観測されなかったものの需要は引き続き健全に推移している。一時は懸念されていた大阪湾岸エリアの物流施設ニーズだが、昨年の自然災害による偶発的需要以降も順調に空室が消化された。さらに、2018年3月の新名神高速道路開通によって東名阪道の渋滞が大幅に改善されたことに加え、貨物車の約8割が新名神への経由利用に転換されるなど関西エリアの交通環境に大きな改善が見られた。

また、GLP新座竣工に代表されるように不動産オーナーによる冷凍冷蔵倉庫供給の動きが見られる。生鮮食料品配送の増加に加え既存施設が更新時期にきていることもあり、従来見られる冷蔵倉庫業者の自己保有型から、運営と所有を分ける動きが加速することも予想されるとしている。

C&Wの前田 謙アソシエイト・ディレクター、ロジスティクス&インダストリアル サービスは「Eコマースの普及により、最新スペックの倉庫需要が増加し、既築倉庫、及び新規供給スペースの消化が進んでおり、大手IT企業が数万坪の倉庫を全棟賃借するような動きがみられる。労働力不足は深刻であり、将来に向けてのITを利用した効率化や物流ロボットなどを利用した自動化に向けた動きが加速。今後、自動化が将来の標準スペックに与える影響に注目したい」と語る。

さらに「ただし、現状では自動化導入は物流業務全体の流れの中ではまだ部分的であり、基本的には人が介在してのオペレーションとなっている。また自動化導入には大きなコストを要することから、いまのところ雇用の確保は物流拠点を開設するにあたり大きな課題となっている。人口集積エリアに近い立地では、雇用確保と配送効率の観点から賃料の上昇が見られ、今後も継続すると思われる」と述べている。

このレポートは、2019年今期の市場のパターンを分析しながら、2019年来期の市場パフォーマンスを予測している。それによると、第1四半期での日本の輸出額は19兆1600億円と前年同期比マイナス3.9%となった。これは米中貿易摩擦での電子部品の需要低下の影響が出た結果だが、一方で日本経済は堅調に推移し、今期は2.2%の成長を記録した。

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