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2024年問題で試算/30年に35%の荷物運べず、共同輸配送に期待

2023年01月23日/調査・統計

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野村総合研究所(NRI)は1月19日、「2024年問題」の影響によりドライバー不足が進み、2030年には「日本全国で約35%もの荷物が運べなくなる」との推計を明らかにした。

NRIがこのほどまとめた「トラックドライバー不足時代における輸配送のあり方」によると、将来の就業ドライバー数(供給)と、将来の荷物量を運ぶのに必要なドライバー数(需要)を比較した場合の需給ギャップは、現状の成り行きシナリオでは、2030年時点で全国で-19%。2024年4月以降ドライバーの時間外労働時間が上限960時間に制限される「2024年問題」を加味したシナリオでは、-35%となることがわかった。

<成り行きシナリオと2024年問題を加味したシナリオの需給ギャップ NRI予測>
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地域別では特に、東北や四国といった地方部がよりひっ迫し、秋田県では2030年時点で約46%、高知県では約42%の貨物が運べなくなる可能性がある。人口密度が小さく運送効率が低い地域は、離島扱いとなる等、運送サービスが低下することが懸念され、今後、人口密度が大きい都市での配送を優先的に維持した場合、秋田県の25市町村のうち約9割、高知県では34市町村の約9割弱の自治体で、運送サービスの質が低下する恐れがあると算出された。

NRIは、現在の日本の物流を取り巻く環境について、「ECの需要増加や、荷物の多頻度小ロット化など需要サイドで物流ニーズが高度化する一方、供給サイドにおいては、業務の低生産性や人手不足が課題となっている」と分析。双方への対応策が同時に求められるなか、脱炭素への要請も強まりつつあることから、物流ネットワークを維持するためには、輸配送の共同化、つまり「共同輸配送」が重要だとの見解を示している。

共同輸配送は、こうした物流危機に対して、国土交通省が策定した「総合物流施策大綱」が掲げる「労働制先生の改善に向けた革新的な取組」のなかの1つとして位置づけられている。NRIでは、2020年12月に物流事業者や荷主対象に、共同輸配送の実施状況やニーズに関し、アンケート調査(有効サンプル数:425サンプル)を実施。その結果についても公表した。

<共同輸配送の実施状況 NRI実施アンケートより>
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NRIが公表した資料によると、食品業界や日雑業界などの同業種内を中心に共同輸配送に取組む事例がみられるものの、同業種内では19%、異業種間では14%が実施していると回答。「過去に検討したが、実施には至っていない」を併せると、約8割以上が実施していないことが明らかになった。

<共同輸配送の効果試算 NRI予測>
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営業用トラックの積載効率は、直近では40%未満まで低下している。NRIは、共同輸配送の更なる展開により、今後トラックの積載率が現状の約35%から2025年で50%、2030年で55%に向上すると、需給バランスは2025年で約-6%、2030年で約-7%に改善すると試算しており、「共同輸配送の取組みは、現状、40%未満に低迷しているトラックの積載効率を向上させるとともに、労働力不足への対策及び労働生産性を引き上げる効果が期待できる」と展望。特にひっ迫が予想される高知県の需給ギャップについても、共同輸配送拡大シナリオでは2030年時点で-42%から-17%までに改善、東北では-42%から-22%までに改善されるとしている。

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