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キリンGL/2023年は輸配送戦略と拠点戦略で「運びきる」

2023年02月08日/SCM・経営

キリングループロジスティクスは2月8日、東京・中野にある本社で2023年の事業計画説明会を開催した。

<安藤 弘之社長>
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会の冒頭では、安藤 弘之社長が2022年を「売上は前年並みの737.1億円で、黒字を達成した。自然災害も多い1年だったが、協力会社と一丸となり、最盛期にも安定的な輸配送・納品を実現。秋には10月の値上げを控えた需要増を見越して、ホールディングス、ビール、ビバレッジとの4社でプロジェクトチームを発足し、『作り切る・運びきる』ことができた」と振り返った。

また、2023年については、「2024年に向けた最終準備年。やり残しのないよう、気合を入れて準備の総仕上げを行う」と意気込みを述べたうえで、事業計画について「『輸配送戦略』と『拠点戦略』、この2つの戦略によって、将来も運びきる体制を実現する。また、『安全・品質』『人財育成』『デジタルICT』の3つに重点を置き、その下支えとなる持続可能な事業基盤を構築していく」と方針を述べた。

2つの戦略では、「輸配送戦略」で集車力・配車力・輸送力の向上、「拠点戦略」で拠点能力・グループ拠点ネットワークの最適化を目指す。

具体的には、「輸配送戦略」でモーダルシフトや中継輸送による長距離輸送の削減、2024年問題に向けた車両フォーメーションの策定や運賃改定の準備、配車人材の育成・強化などに取り組む。2024年問題に対しては、解決に向けたプロジェクトを発足しており、2023年上期をめどに具体策を検討する。

また、「拠点戦略」では、グループ拠点ネットワークの整備や、自動化による拠点能力の最適化、D+2(翌々日配送)を生かした夜間荷役作業の削減(日中へのシフト)、構内滞留時間の削減、女性用トイレなど職場環境の整備などに取り組む。グループ拠点ネットワークの整備では、愛知県あま市にキリンビバレッジの新物流センターを開設(2月14日稼働)。県内に分散していた出荷と保管の機能を集約・増強し、中部エリアでの商品の安定供給と社内運送の削減を図る。

<愛知県あま市に開設するキリンビバレッジの新物流センター>
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重点を置く3つの取り組みのうち、最も重視する「安全・品質」では、それぞれ884日と600日続いている「3大物流災害(人とフォークとの接触、車両からの転落、動くモノへの手だし)」と「2大品質事故(出荷禁止品の出荷、法定印字違反)」の継続を目指すほか、キリン品質の維持、さまざまな災害に対応したBCPの導入、リフターの育成施設となる「安全技術センター」の設置構想に取り組む。

「人財育成」では、専門的スキルが求められる一方で高齢化が進む配車人材の育成に注力。現場作業員の確保については、ドライバーだけではなく構内作業員も採用難だとし、人員確保に向けてさまざまな取り組みを率先して行っていく。

「デジタルICT」では、AGF(自動運転フォークリフト)やAGV(無人搬送車)などの設備投資、ピッキングなど拠点能力の効率化、配車システムの再構築、アナログ作業のデジタル化などに取り組む。

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