三菱食品は7月22日~24日の3日間、総合展示会「三菱食品ダイヤモンドフェア」を東京ビッグサイト南展示棟3・4ホールで開催中だ。
今年で創業100周年を迎え、「感謝のこころで、未来に繋ぐ」をメインメッセージに、3日間合計で1万人超の来場を見込んでいる。
会場では三菱食品の取組みを戦略・機能・商品など7つのエリアで構成、多角化する「家族」に着目し、さまざまな提案を行っている。
SCMに関する展示は機能エリアに集約。三菱食品が目指すサステナブルなSCMの実現に向けた様々な取組みを紹介している。
見どころは、2025年1月から開始したPALTACとの協業や、Hacobuと連携した共同輸配送支援サービスなど、物流のオープン化により社会課題解決を目指す取組み事例。懸念される輸送力不足や多様化する生活者、顧客課題に対し、他社との連携やデータ活用による新たな価値創造を提案している。
また三菱食品の物流事業を継承し、今年4月から始動した新会社ベスト・ロジスティクス・パートナーズ(BLP)の展示も注目を集めていた。
BLPは食品物流分野で培った物流センター運営ノウハウや管理手法、効率的な共同配送を実現するシステムなどを活用し、高度化・複雑化する市場ニーズに対応する戦略や仕組みを提案。
食品分野だけでなく取扱いを日用雑貨や医薬品にも拡大しており、小谷光司社長は「三菱食品のリソースをオープン化していけば、もっと世の中の役に立つ。事業規模は27年度2000億円と高い目標を設定していたが、何とか第一四半期をクリアした」と手応えを語った。
三菱食品の田村幸士常務 SCM統括(兼)CLOは、「4月にBLPがスタートし、PALTACさんとの協業も始まっている。新生・三菱食品のロジ部隊として、2025年は再生の年だと思っている。まだまだこれから、新しい三菱食品のロジに期待してほしい」と話す。
今回の展示会では会場の一角にイントロエリアを設置し、食品流通を取り組く環境・社会と、生活者が直面する「人手不足」や「物流危機」「超高齢化社会」など12個の社会課題に注目した提示を行っている。
会場を訪れた人々は関心のあるパネルの前で立ち止まり、熱心に眺めていた。「物流危機」については「現場では無理をして運んでもらっていると感じるが、消費者としてモノは届いている。そのギャップが今後どうなるのか」(小売業)、「2024年問題、働き方改革でドライバーの残業規制が入っても、生活者としてはあまり実感がない。これに人手不足が乗って深刻化していくのでは」(調査会社)などの声が聞かれた。
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