ユーピーアール(UPR)は7月23日、「物流2024年問題」に関するアンケート調査結果を発表した。
調査では、「2024年問題による影響」「物流課題」「今後の対応」などについて、3年前に実施した同様のアンケート結果と比較し、企業の意識や戦略の変化をまとめている。
「2024年問題」による事業への影響度を調査した結果、「すでに大きな影響が出ている」「一部に影響が出ている」が合計で69.5%となり、7割近くの企業が影響を実感している実情が明らかとなった。
物流の当事者たる「倉庫・運輸業」に限らず、荷主側の「メーカー」や「卸売業」も影響を認識しており、サプライチェーン全体の課題として認識が広まっている。
具体的な影響の内容として「運賃・物流費の高騰」「車両・チャーター手配困難」といった声が多数あがっており、コストと輸送力いずれも企業活動が圧迫されている実態が浮き彫りとなっていた。
今後3年間で検討すべき物流課題では、最大の課題として「人手不足」(67.3%)があげられ、3年前(50.0%)から17.3ポイントも急増している。
3年前からの増加率という点で見ると、次いで「納品条件」(39.9%、前回比12.0ポイント増)、「手積み手下ろし」(48.0%、11.1ポイント増)も3年前からポイントを大きく伸ばし、重要度を増している。
一方で、3年前に52.7%と最重要課題の一つであった「労働環境・条件」は今回47.5%(5.2ポイント減)に、また「アナログ業務」(33.1%、7.3ポイント減)も低下した。これは、一部の分野では改善努力がなされたが、「人手不足」という根源的な問題と、それに伴う諸問題が改めて注目されていることを示している。
課題に対する対応策も3年間で変化がみられており、大きく躍進し最重要課題となったのは「パレット輸送の推進」(48.6%、23.2ポイント増)で、荷役の効率化と標準化が、人手不足への回答として期待されていることが見える結果となった。
また、企業間連携も新たな戦略として意識され始めており、「外部パートナーや物流会社同士との連携」(39.3%)が対応策の上位にあがっている。
こうした結果から、多くの企業が物流課題に直面する中で、根本的な「人手不足」に対して「効率化」「標準化」や「他社との連携」といった別のアプローチを企業が意識し始めていることが明らかとなった。
■調査概要
調査期間:2025年2月27日~2025年3月21日
調査方法:オンラインアンケート
有効回答数:843名
回答者の主な属性:
業種:倉庫・運輸 (46.5%)、メーカー (31.1%)、卸 (12.2%) 等
企業規模:大規模企業 (40.1%)、中規模企業 (42.7%) が中心