帝国データバンクは9月11日、道路貨物運送業者の倒産動向調査を発表した。
調査は、1~8月の道路貨物運送業者の倒産動向(負債1000万円以上、法的整理のみ)を集計・分析したもの。
<道路貨物運送業の倒産推移>

2019年(1月~8月累計)の倒産件数は126件(前年同期比26.0%増)、負債総額は137億5000万円(66.5%増)と、ともに前年同期を大幅に上回る結果となった。
通年では、倒産件数が6年ぶりの前年比増加、負債総額が3年ぶりの200億円超となる可能性が高い。
要因としては、慢性的なドライバー不足や、労務管理の厳格化など政策的な外部環境の変化に業者のコスト管理が追い付いていない事などを挙げており、燃料価格の上昇・高止まり傾向が続くなか、近年の仕事量の増大を背景に運賃の値上げなどでなんとか資金繰りをつけていた中小業者の疲弊感が鮮明化し始めていると分析している。
地域別の動向では、9地域中7地域で前年同期を上回っており、特に北海道では前年同期比6倍の12件に急増。走行距離が長くなりがちな地理的条件下で、運転時間などの労務管理のチェック体制が強化され、人件費や燃料費、高速道路料金といった配送コストと利益のバランスが崩れていることなどが背景にあるとしている。
また、九州では2015年の13件以来、4年ぶりの二桁件数となる11件が発生。ドライバー不足のなかで、給与アップや福利厚生の充実など人材集めに関わるコストに利益を振り分けられない小規模業者の苦戦が目立つ。
負債規模別では、「1000~5000万円未満」が前年同期比2倍の56件(構成比44.4%)と最多で、次点の「1~5億円未満」も2倍超の40件と急増。「5~10億円未満」は前年同期比3倍の6件発生しており、中規模~中堅業者の苦境が浮き彫りとなっている。
ドライバーの確保で大手企業と競合せざるを得ず、収益を圧迫しジリ貧になるケースや、取扱量の増加に伴い車両数を増やしている業者も多く、ドライバー数とのバランスを逸して、稼働していない車両の維持費などが重荷となっている実態もみられる。
国交省/4月の鉄道貨物輸送量0.9%増、貨物トンキロ0.1%増