農林水産省は3月28日、第4回青果物流通標準化検討会において、「青果流物通標準化ガイドライン」を、また同24日の第4回花き流通標準化検討会において、「花き流通標準化ガイドライン」を、それぞれ取りまとめた。
農水省は、業界や官民の枠を越え、長期的視点で課題や推進方策を議論・検討する「官民物流標準化懇談会」を2022年6月に設置。青果物流通において標準化の取組を推進する「青果流物通標準化検討会」で協議を重ね、ガイドライン作成に向け議論・検討してきた。
「青果物流通標準化ガイドライン」では、パレット循環体制について、原則1100mm×1100mmを標準パレットサイズとし、「パレット化の推進に当たっては、手荷役を減らすことを基本としつつ、業種横断的なパレットの標準化の動向を踏まえ、二重投資によるコスト増にならないように留意するべき」と明記された。また、材質はプラスチックを推奨、業種横断的なパレットの標準化の動向を踏まえながら検討を続ける。運用についてもレンタルを基本とし、実行性の高いパレット循環体系の構築に向けて検討を続けるとした。
場内物流においては、開設者・施設管理者を中心に、卸売業者、仲卸業者等市場関係業者が構成員となって「場内物流改善体制を構築する」ことを明記。パレット管理や荷下ろし・荷捌き・荷積みの秩序形成、法令や契約・約款等を遵守した業務遂行の徹底に取り組むこと、また荷待ち時間を削減するため、「トラック予約システムの導入を推奨する」とした。
このほかコード・情報等についても納品伝票の電子化を推奨。対象は送り状と売買仕切書を優先し、デジタル化で業務が完結することを目指し、伝達すべき標準項目も示された。なおコード体系・物流用語の標準化については、業種横断的な SIP「スマート物流サービス」で決定した「物流情報標準ガイドライン」の標準化項目等を参照することを基本とする、としている。
花き流通においても「官民物流標準化懇談会」で、標準箱(段ボール)のサイズや仕様、台車(パレット台車)の規格等について協議されてきた。「花き流通標準化ガイドライン」では、産地の出荷拠点から卸売市場までの幹線輸送における手荷役解消のため、「台車での輸送を推奨する」とした。
サイズは、鉢物については、フル台車(W1055mm×D1285mm×H2068mm)と実証実験で開発したハーフ台車(W520mm×D1280mm×H1900mm)を推奨。切り花についても原則として、フル台車またはハーフ台車での輸送を推奨。またパレット輸送を推奨し、1100mm×1100mmを標準サイズとした。さらに、標準パレットに合わせた横箱段ボールの推奨サイズ(品目により縦箱段ボールも使用可)や、積み付け方法なども示された。帳票の電子化についても、ペーパレス化・データ連携を前提とし、帳票の標準項目が定められた。
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