日本通運は12月18日、鉄道輸送の大動脈である東海道線区間不通時のバックアップ輸送体制として、NEXCO 中日本と遠州トラックが共同で運営する中継輸送拠点「コネクトエリア浜松」を利用し、関東から関西の各貨物ターミナル駅をトラックで代替輸送する新たなスキームを構築した。
テスト輸送実績では、8月22日から23日の2日間、東京貨物ターミナル駅から百済貨物ターミナル駅間で試験輸送を実施、鉄道コンテナ(12FT)12 個を輸送した。
このスキームの特徴は、新東名高速道路の浜松サービスエリアに隣接する中継輸送拠点「コネクトエリア浜松」を利用することで、関東と関西間の東海道線をカバーし、災害による鉄道不通が発生しても、速やかなバックアップ輸送が可能となる。
また、関東エリアの3駅(東京(タ)・隅田川・越谷(タ))と関西エリアの4駅(大阪(タ)・百済(タ)・吹田(タ)・安治川口)の各貨物ターミナル駅から出発したコンテナ専用トラックが、コネクトエリア浜松でそれぞれのシャーシを交換し、出発地へ戻る。
さらに、トラックの日帰り輸送が可能となり「物流の 2024年問題」に対応する。ドライバーの宿泊手配やトラックの駐車スペースの確保などが不要なため、バックアップ輸送の初動を迅速化できる。
今後の展開では、災害時に迅速に対応できるよう、定期的な試験輸送を実施する。日本通運は、地球環境の保護と持続可能な物流の推進を理念として、JR貨物と連携し鉄道輸送におけるバックアップ体制を強化することで、顧客のサプライチェーンの維持と安定に貢献する。