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BtoB総合一貫物流をコアに
国内外で拠点強化図る

2021年04月23日/物流最前線

<鈴鹿センター営業所の外観>
20210421nikkon5 520x391 - 物流最前線/ニッコンホールディングス黒岩正勝社長インタビュー

<ロボットの稼働の様子>
20210421nikkon6 520x390 - 物流最前線/ニッコンホールディングス黒岩正勝社長インタビュー

人手不足は創業以来続いている

――  さて、現在の物流環境ですが、新型コロナ問題とともに、人手不足が課題として挙がっています。

黒岩  人手不足については、創業時以来ずっと人手不足は続いています。私からすると、なぜ今頃言い出すのかと戸惑いますね。今、始まったことではなく、物流業界の長年の課題ですよ。ドライバーが余分にいて困った、なんてことはまずなかったですからね。さらに、法律により一人のドライバーに対しての労働時間の見直しによる時間短縮により、これまで1人だったところが2人必要になるといったことで、ドライバーが足りなくなるという現象はあります。もう、長距離を長時間運転するスーパーマンはいなくなりましたし、物流会社にいられなくなったというほうが正しいですね。

――  確かに、人手不足は長年の物流業界の課題ですね。しかし、創業以来ずっと続いているとは。

黒岩  昔は1週間顔を見ていない、家に何日も帰っていないといったドライバーが多くいました。今それをやると完全にアウトですが。高度経済成長時代はそれでも人口が増えていましたから、よかったのですが、現在のような低成長時代の少子高齢化では確実に労働人口も減っているわけで、より深刻な問題だということでしょう。

―― コロナ禍の中、今年度の新入社員の採用は。

黒岩  ニッコンホールディングス全体では国内203名です。今年の傾向は、高校生が減っています。なぜかというと、少子化の影響からか大学に進学する傾向が強いようです。人手不足の解消が一番頭の痛い課題ですね。

――  海外からの労働力確保については。

黒岩  すでに海外からの労働力確保については実行しています。まだ技能実習生制度では認められていませんが、当社のタイの海外現地法人で活躍していたドライバーを正式な手続きで日本に呼んで働いてもらっています。当社グループのドライバーコンテスト世界大会で2位になるなど優秀なドライバーです。また、外国人技能実習制度を利用して、梱包作業領域で外国人従業員に働いてもらっています。この取り組みは10年以上続いていますが、例えば、北海道の営業所勤務では、雪と桜が見られるということで非常に喜んで赴任してくれました。ただ2年目以降は、ちょっと寒さにまいっているようですが。一方で、現在のコロナ禍で、帰国した人が戻ってこれなかったり、新規の従業員がこられなかったりと、困った問題はあります。

――  人手不足解消に、外国人採用のほかにどのような対策を。

黒岩  まずは当社ではひとりのドライバーによる長距離輸送はやめようということで、かなり昔からモーダルシフトを展開しています。鉄道等を活用しないと、トラックだけでは限界があります。ドライバーの労働時間の短縮・土日の休日、配送の時間の短縮等が相まって、すべてにおいて時間の短縮が求められていますからね。他の業界、例えば当社の倉庫建築を担っていただいている建設業界でも、完全週休2日になるとのことで、機械化、自動化が進んでいると聞いています。

――  物流分野でも倉庫などの自動化を推進していますね。

黒岩  今、自動化はトレンドですからね。実は、当社は早い時期から自動化には取り組んでおり、最新の機器とシステムを取り入れましたが、結構失敗しているんですよね。ある意味部分最適は実現できても、その川上、川下とトータルで見ていかないと、全体最適はできないと。顧客もパートナーとして協力してもらう取り組みにしていかないと、成功しませんね。我々はちょっと早くやりすぎてしまった感はあります。その分、これからの自動化についてはそれらの失敗の積み重ねがありますので、よりスムーズにいくとは考えています。

――  御社の鈴鹿センター営業所では、ロボット等で自動化を図っています。

黒岩  導入ロボットはグレイオレンジ社の棚流動型ロボットRangerGTPで、導入数は倉庫ロボット9台、移動棚200基です。導入効果として作業工数を30%削減し、LED照明等で電気使用量を22%削減しています。でも、まだまだこれは序の口ですね。本格的な自動化はこれからです。

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