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自動化の切り札『WES』
YEデジタルが物流現場を変える

2022年08月22日/物流最前線

20220822 ye03 - 物流最前線/YEデジタルトップインタビュー

自動化機器と簡単接続、パッケージ型WES「MMLogiStation」

――  「MMLogiStation」を提供することになった経緯は。

玉井  昨今の物流業界では、コロナ禍による消費者の行動変化によってECの荷物量が急増していますよね。これは今後も増えていく一方だと思いますが、一方で人手不足が慢性化しており、物流現場の自動化や省人化の推進は急務だと感じています。従来のような属人的なオペレーションでは、とても業務をこなし切れないのが現状です。それに加えて、今後はトラックドライバーの時間外勤務の上限規制が適用される「2024年問題」も控えており、トラックからの荷物の積み下ろし作業にかかる時間を削減する観点からもロボットの導入が必要になってくるのではないでしょうか。

物流現場へ自動化機器を導入する際、従来のWMSのみで管理している現場では、WMSに自動化機器を接続するための改修を加える必要がありますが、改修には一般的に半年程度の期間が必要でコストや手間がかかる。そして、この改修作業は新たな自動化機器を導入するたびに必要となります。そうなると、自動化が必要な現場であっても設備の導入がためらわれ、自動化が妨げられてしまいます。

先ほども少し触れましたが、従来WMSが担っていた一部の機能をWESに任せることで、自動化機器の導入がよりスムーズに行えるようになります。そこでこれらの課題を解決する手段として、当社が30年以上にわたる物流システムの構築で培ったノウハウを生かして開発したのが、物流倉庫の自動化促進に特化したWES「MMLogiStation」です。

<プラグイン機能>
20220822 ye04 - 物流最前線/YEデジタルトップインタビュー

――  「MMLogiStation」の特長は。

玉井  最もユニークな点は、「プラグイン」と呼ばれる自動化機器とのインターフェースを備えていることです。WMSに自動化機器を直接つなぎこむのであれば、システムの改修に相当の時間と手間がかかります。一方で、「MMLogiStation」はプラグインに対応した自動化機器であれば改修の必要が無く、簡単かつスピーディーに接続が可能になります 。「MMLogiStation」では、WMSも自動化機器(WCS)も相手を選びません。国産でも中国製でも、どこのメーカーの製品でもプラグインに対応できます 。「MMLogiStation」があれば上位と下位のシステム(WMSとWCS)が何であれ、全てをつなげることができるというのが製品のコンセプトです。他社のWESは接続可能なWMSやWCSにメーカーの制約がある場合がありますが、「MMLogiStation」にはそのような制約はなく、現在お客様が使用中のWMSとWCSとを簡単につなぐことができます。

また、WMSと自動化機器の接続が簡単にできるということは、リスク回避にもつながります。例えば、導入しようとしている機器が海外製のものだとして、その会社がいつまでもその製品を供給し続けている保証はありません。もし製品の供給が止まれば、苦労して半年掛けてシステムにつないだものが無駄になってしまう。また、そうした企業は小規模なところが多く、資金繰りが悪化して会社ごと無くなってしまうといったことも珍しくありません。そういったリスクを考慮すると、なかなか機器の導入に踏み切れないのが現状です。

「MMLogiStation」では、プラグインによってこれらの課題をクリアすることができます。何か良さそうな自動化機器があったら、とりあえずつないでみようじゃないかという考えが起きるわけです。仮にその自動化機器が無くなったとしても、それに代わる別の機器を簡単につなげることができます。

――  自動化投資へのハードルが下がりそうです。

玉井  もうひとつ、「MMLogiStation」はWCSからWMSへ情報を橋渡しするという役割もあります。WCSとWMSとがつながっていないと、そこでデータが分断されてしまいます。その間を「MMLogiStation」が取り持つことで、物流センター全体のデータを一気通貫で取得することが可能になります。今はDXがトレンドですが、DXの原点はデータです。季節や天気、気温、時間帯など、さまざまな条件下でのデータを蓄積し、AIを用いて稼働予測を立てることで、データを最大限有効活用することができます。そういった意味で、WESは物流DXの実現にも欠かせないものだと言えます。

――  「MMLogiStation」の採用状況は。

玉井  昨年11月の提供開始から、現時点で数社への導入実績があります。最初の納入先は3PL企業で、AGVとロボットソーター を連携したいという要望でした。そのほか、引き合いも順調で金額ベースで十数億円規模を頂いています。

次>ロボットとの連携を強化、年内に新機能実装も

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