ヤマトホールディングスは7月2日にオープンする「ヤマトグループ歴史館 クロネコヤマトミュージアム」を、報道陣に初公開した。
<ビルの断面図。ミュージアムの真上を車路が走っているのが分かる(設計は日建設計)>
<スロープを下りながらヤマトグループの歴史を振り返る展示構成>
ミュージアムは、グループ創業100周年の記念事業として、2019年10月に建替えを完了したヤマト港南ビルの内部に開設した。
港南ビルは地上10階建てで、1~5階に宅急便センター、6階より上はヤマト運輸のオフィスやヤマトグループ総合研究所などが入居。建物の外周に沿ってランプウェイが配置されており、ミュージアムはこのランプウェイの真下に沿った形で3~6階部分に整備されている。
一般向けの見学ルートを設けている施設としては、東京の羽田クロノゲートや大阪の関西ゲートウェイがあるが、グループの歴史を展示する施設は今回が初めて。
施設は「創業の時代」「大和便と事業多角化の時代」「宅急便の時代」「新たな価値創出の時代」の4つのエリアに分かれており、アテンダントの案内によって約60分間でヤマトグループ100周年の歩みを辿ることができる。
まず、入り口を入ってすぐに入館者を出迎えるのは、ヤマトグループ創業の物語を紹介する「創業の時代」エリア。
ここには、1919年の創業時の車両や制服など、当時の事業活動が垣間見える品が多数展示されているほか、約14mの大型ワイドスクリーンを有するシアタールームを設置してあり、とある家族の生活を通じてヤマト100年の歴史を振り返ったオリジナルのアニメーション作品を上映している。
続いて訪れる「大和便と事業多角化の時代」エリアでは、1929年に始まった日本初の路線便サービスや、引っ越し、美術品輸送など、創業者の小倉 康臣氏が打ち出した現在のヤマトグループにつながるさまざまな新規事業を紹介。
また、当時の広報担当者のお子さんが描いたクロネコマークの原画も展示してある。
<宅急便にあった反対意見の数々を、迫力のある立体展示で表現>
「宅急便の時代」エリアでは、長距離便のスタートで出遅れ、経営危機に陥ったヤマト運輸が、社運を賭けて挑んだ宅急便の誕生と成長の記録を紹介。
父・康臣氏の跡を継いで社長となった昌男氏による顧客満足を追求した経営理念の数々が、パネルや展示によって紹介されているほか、宅急便の集荷から荷物の積み付け、配送までを体験できるコーナーが設けてある。
「新たな価値創出の時代」エリアでは、2000年代以降に訪れるECの急成長やデジタル化の波など、時代と物流ニーズの変化に対応した新たなチャレンジの様子を紹介。
エリアの最後には、未来の街や物流が壁一面に描かれた未来創造ラウンジや、ミュージアムで紹介している映像や関連書籍を揃えたライブラリーを設けてある。
ミュージアムの設立は、2016年7月のプロジェクト発足から4年がかりの事業となった。本来ならば2020年4月に開設する予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響でオープンを見合わせたすえ、ようやく開設に辿り着いた。
ミュージアムの開設を明日に控え、白鳥 美紀館長は「ミュージアムでは、顧客とともに成長してきたヤマト100年の歴史を紹介している。ヤマトの歴史と併せて世間で起こった出来事も紹介しており、自分の歴史と重ねて振り返ることで、ヤマト運輸を身近に感じて貰えたらありがたい。ミュージアム開設までの4年間の準備期間は、とても楽しく仕事ができた。これからは、大人から子どもまで幅広い層に来館してもらい、施設を楽しんで欲しい」とコメントした。
■ヤマトグループ歴史館 クロネコヤマトミュージアム概要
所在地:東京都港区港南2-13-26 ヤマト港南ビル6階
TEL:03-6756-7222(受付時間9:00~18:00)
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日・年末年始・お盆
見学料金:無料
利用方法:自由見学(10名未満は予約不要)
アクセス:JR線・京急線「品川駅」港南口(東口)徒歩10分
東京モノレール・りんかい線「天王洲アイル駅」徒歩15分
都営バス「食肉市場前」徒歩1分
■クロネコヤマトミュージアム紹介ページ
https://www.yamato-hd.co.jp/museum/