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モノタロウ/成長のカギは当日出荷、担当役員がSCM戦略語る

2022年11月24日/SCM・経営

MonotaRO(モノタロウ)は11月24日、赤坂の東京オフィスで同社のサプライチェーン・マネジメント(SCM)高度化戦略に関する説明会を開催した。

<モノタロウの田村 咲耶執行役員>
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説明会には、同社のサプライチェーンマネジメント、カスタマーサポート管掌 サプライチェーンマネジメント部門長の田村 咲耶執行役員が登壇し、同社のサプライチェーン戦略や、サプライチェーンにおける課題と具体的な取り組みや成果について説明した。

同社のSCM部門では、「より早く、正しく、安く、ものを動かす」「サプライチェーンの高度化により、顧客価値を追求する」の2つのミッションを掲げ、顧客の利便性向上と時間資源の創出に寄与することを目指している。

そのために取り組んでいるのが商品の「当日出荷」であり、それを可能にしているのが商品の「自社倉庫への在庫化」だ。同社は、茨城県にある2か所の物流倉庫(笠間DC、茨城中央SC)に加えて、2022年4月には兵庫県で大型物流倉庫「猪名川DC」を開設し、保管能力を増強。2022年第3四半期時点で同社全体の商品取扱点数を1900万点、在庫点数を51万1000点に拡大している。また、2026年3月には総額400億円を投じ、茨城県水戸市に新たな物流倉庫を開設する計画だ。

物流倉庫を拡大し、より多くの商品在庫を自社で保有することで、サプライヤーから商品を調達する時間が削減され、受注当日の出荷が可能になる。当日出荷が可能になると顧客利便性が向上し、同じ商品でも売り上げが拡大する。田村執行役員は「注文から出荷までのリードタイムが1日短くなるごとに、数パーセントの売上増につながる」と、リードタイム短縮の重要性を語った。

また、関東の物流倉庫が茨城県内に集積している点について、田村執行役員は「オペレーションがしやすい1フロアあたりの面積が大きな物流センターを建てられることや、常磐道による首都圏へのアクセス性、輸入港である常陸那珂港との立地等を考慮した結果、茨城県が立地として最適だった」と説明。また、今後については「物流拠点には継続的に大規模投資を実施していく」と方針を述べた。

<今年4月に稼働した大型物流倉庫「猪名川DC」>
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商品の「自社倉庫への在庫化」を進める同社だが、今後はさらなる顧客利便性向上のため自社倉庫の枠を超えたサプライチェーン全体の高度化にも取り組んでいく。そのために、現在進めているのが「在庫連携/新受発注管理システム(OMS)」を用いた「引当出荷倉庫オプション」と呼ばれる取り組みだ。

「引当出荷倉庫オプション」では、自社の在庫とサプライヤーの在庫をシステム上で連携させ、自社の倉庫で欠品している商品をサプライヤーの倉庫から顧客へ直接配送する。これにより、欠品を防ぐとともに商品の当日配送が可能になる。数社のサプライヤーの協力を得て2022年春からスタートしており、今後はサプライヤーの数を増やして欠品率の低減につなげるとともに、顧客に一番近いサプライヤーから出荷できるようにするなど、取り組みを拡大させていく。

引当出荷倉庫オプションについて、田村執行役員は「サプライヤーが増えることで、サプライチェーンにより柔軟性を持たせることが可能になる。欠品率の改善や配送リードタイムの短縮につなげ、顧客価値のさらなる向上を目指す」と語った。

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