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トランコム/ビッグデータ活用で2025年ビジョン「はこぶ」を創造

2023年10月31日/決算

トランコムは10月31日、2024年3月期第2四半期決算説明会において、上半期の実績を振り返ると共に、新しいビジョンを発表した。

<トランコムの神野裕弘社長>
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新しいビジョンは『TRNCOM VISION 2023 「はこぶ」を創造する」』。今年6月20日に就任した神野裕弘社長が説明した。

<「はこぶ」プラットフォームの構築>
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ビジョンは3つの柱を軸にしており、それぞれ「物流情報」、「物流」、「情報」を挙げている。この柱をベースに、5つの具体的な取組みとして、1.「はこぶ」プラットフォームの構築、2.主要エリアにC-AREAを開設、3.物流情報サービス事業を高度化、4.会社営業力の強化」、5.ビッグデータを活用した新たなビジネス、としている。

「はこぶ」プラットフォームの構築は、主要エリアに多機能戦略拠点を設けることで、2024年問題に対応した中継輸送、拠点の自動化、共同配送、パレット回収等につなげる狙いがある。この多機能戦略拠点がC-AREAとなる。

<主要エリアにC-AREAを開設>
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「主要エリアにC-AREAを開設」とは、すでに先行投資し、中部エリアではこの10月にC-AREA一宮、北関東エリアでは2021年7月にC-AREA蓮田、南関東エリアでは7月にC-AREA厚木を稼働開始。既存施設のC-AREA東海、C-AREA久喜、そして、2024年8月開設予定のC-AREA茨木を合わせ、6棟の大型複合拠点を準備している。

神野社長は「形は普通の倉庫だが、思想が違う。いずれも、それぞれ業種専用の拠点倉庫としている。これは、業種をまとめることで、共同配送や帰り荷の対応等様々な改善策・アイデアが生まれ易くなるからだ」と話す。また、今後の拠点展開については、東北、九州、中国等を考えているが、2025年の内に、この3つのエリアにも必ず設けていきたい」と話した。

神野社長は「3点目までは、従来の実績に基づいたノウハウからの発展形だが、4、5点目については新たに「情報」という要素を組み合わせている。この情報は物流情報サービスのCOMPASSのシステムにより蓄積された約20年間のデータとなる。このデータを分析・利用することで、貨物情報分析や環境問題等の社会課題にも対応でき、新たなビジネスを生み出していけると思っている。物流情報サービス事業を高度化するということだ」とビッグデータの活用について大きな期待感を寄せた。

なお、「ロジスティクス・3PL事業は特定の荷主と運賃交渉もできるが、求貨求車の物流情報サービスの場合、スポットが91%と多く、ある程度の荷が集まらないと受けない方が利益はあがるが、今は我慢して、この時期だからこそパートナーとの信頼関係を重視し、今は台数を追う時期だと考えている」と神野社長は強調した。

4点目の「営業力強化」については、営業体制を強化するための増員として、現在の25名を50名に増やす予定だ。また、新部署として「はこぶ推進グループ」を設置した。これにより、対応領域の拡大とはこぶ量の拡大を目指す。

最後に「物流業界にとって2024年は潮目の年だと思っている。物流市場も今後徐々にプラス成長していくとみている。これまでもトランコムは独自路線でやってきたが、良い形になりつつある。新体制となって間もないが、熱意と責務で乗り切りたいと思う。ぜひ期待してほしい」と神野社長は締めくくった。

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