丸和運輸機関は5月23日、農林水産省が推進する「生鮮食料品等サプライチェーン緊急強化対策事業」において、生鮮食品物流における効率的な共同物流と安定供給の実証実験を行ったと発表した。実証により配送ドライバー拘束時間の大幅な削減などの成果・知見が得られた。
トラックドライバーの高齢化や2024年問題による労働力不足が懸念されるなか、特に食品の物流ではバラ積み・バラ降ろしが多く、情報システム導入も遅れているため、物流の合理化・効率化が喫緊の課題となっている。
両社は持続可能な物流の構築に向け、生鮮食品物流について物流の共同化(配送・集荷)とモーダルシフトによる安定供給の実証実験に取り組んだ。実施期間は2024年2月1日~2月29日。
生鮮食品の配送については、産地の熊本大同青果から関西地区の小売業(スーパーマーケット)への共同化実証を行った。現在、小売業ごとに産地からの配送が実施されているが、産地で複数の小売業の生鮮食品を丸和運輸機関のトラックに集約し配送を共同化したことで、配送ドライバーの拘束時間を25%削減した。
また、関東エリア内の卸売市場から小売業への積み荷を共同化した。現在、卸売市場ごとに小売業への配送が実施されているが、複数卸売市場の積み荷を丸和運輸機関に集約、小売業へ共同配送することで拘束時間を20%削減した。
さらに、産地(熊本大同青果)から関東エリアの丸和運輸機関物流センターへの配送を、現在のトラック利用から、鉄道コンテナを活用した鉄道輸送に変更するモーダルシフトにより、配送ドライバーの拘束時間を80%削減できることを確認した。なお鉄道コンテナ輸送は、丸和通運が所有するクールコンテナを活用した。
両社は引き続き活動を行い、より効率的な配送ルートの立案、精度の高い物量予測、鉄道コンテナ手配等の課題解決に取り組んでいくとしている。
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