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JILS/待機時間削減など物流改善で未来拓く、33社が発表

2023年05月16日/SCM・経営

日本ロジスティクスシステム協会(JILS)と日本物流資格士会が主催する「全日本物流改善事例大会2023」が5月16日、17日、御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンターで開催中だ。

同大会は全国の物流現場、物流部門で取り組まれた優れた物流改善の成果を発表するもので、今回で37回目の開催。「物流業務部門」と「物流管理部門」の2部門について改善事例を募集し、そのなかから優秀事例に選ばれた28の事例発表が行われる。また、初の試みとして物流改善の取り組みをポスターで紹介する「ポスターセッション」の枠を新設。5社が発表を行い、併せて33事例が聴講できるとあって会場は盛況となった。

<会場の様子>
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<事例発表の様子>
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初日の16日、物流業務部門ではコマツ物流や花王、ワコール流通など8社が登壇。このうち花王は、ロジスティクスセンターの佐々木学氏と川崎工場の山崎晃氏が、2024年問題対策の一環として取り組んだ「待機時間削減に向けた自動倉庫からの出荷能力向上」について発表した。

同社川崎工場では、1日150台を超える車輌が出荷を行っており、2~3時間の荷待ち時間が発生していた。特に場内2か所の自動倉庫で多発しており、まずはトラック予約システムを導入し現状をデータ化。さらに動画による定点観測や、荷役・運送会社へのヒアリングにより作業を分析し、改善に取り組んだ。加えてマテハン設備の出荷能力向上を図り、現場の「ムリ・ムダ・ムラ」を改善。出荷能力は活動前に比べ25%アップし、平均待機時間は3206時間/月、89分から32分/台となり64%削減した。

花王では今後、さらなるチャレンジとして入場から退場までをスマート化し、待機を抑制することに挑戦する。「事実をしっかりと把握、目標を立て実行を明確化すること。地道な作業を繰り返すことで目標を大きく上回る効果を得ることができた。これからも強い意志をもって2024年問題に取り組んでいきたい」と発表を締めくくった。

<ポスターセッションの様子>
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事例発表は3~4事例を1セッションとし、各セッションごとに発表者と名刺交換の時間が設けられる。この間にポスターセッションを聴講することもでき、会場では活発な情報交換や交流が行われていた。なお、今大会からライブ中継を行い、参加者は会場とオンラインで2日間合計270人となる予定。また大会終了後、同実行委員が厳正なる審査・選考を行い、2023年度の「最優秀物流改善賞」及び「優秀物流改善賞」が決定する。

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